概要
逃げるように来た引っ越し先で、どこか不思議な絵描きと出会う。
-全15話・中編-
「アパルトマンで見る夢は」第1話
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887538700/episodes/1177354054887538722
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!温室を離れた一輪の花が、初めて、己だけのために咲く
温室を離れることは、すべての花にとって良いこととは限りません。
けれど、舞花にとって、これは新たな生命を得る機会でした。
ありふれた自然の中に身を置くことは、まるで原初の生活に戻ったかのようで、しかもすべてが新鮮に感じられます。
温室で育まれた心境は、今、きっと新たな気付きを得ていることでしょう。
温室の園丁から、ある「形」を期待されていたことは、客観的に見れば非現実的な理想だったかもしれません。
どの花にも、その花だけの美しさがあるのですから。
このように、予期せぬ生活と、本来抱いていた理想とが、
一つまた一つと出会い、すれ違ううちに、
すくすく育ち咲いていく花は、やがて彼女だけの色を放…続きを読む - ★★★ Excellent!!!他人になろうとして壊れた女優が、 自分を取り戻すまでの、静かな再生譚
物語は、白髪の老監督と若手女優・三鷹舞花の衝突から始まる。
舞花は、かつて圧倒的な存在感を放った女優「キミカ」と同じ役を演じることを求められているが、「私はキミカじゃない」と強く拒絶する。演じられない自分への苛立ちと焦り。監督は彼女に一ヶ月の猶予を与え、その代わりに「キミカをここへ連れてこい」と命じる。
このあとは、ネタバレになりますので控えさせていただきます。
空気の描写が非常に美しい作品です。
坂道、丘の風、窓辺の光、木箱、リンゴ、カーテン。
舞台装置がとても丁寧に描かれており、情景の可視化力が高い。
映画的な質感を持っています。
特に、アパルトマンの外観描写や風が吹く場面、階段の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!欺瞞か前進か
演じることは偽りです。本来でない自分になります。
では演技は、欺瞞でしょうか?人を騙して欺く悪でしょうか?
この物語は演技を前進だと捉えています。
なぜ演じるのか―よりよく幸福になるためだ。この物語の答えはこうです。
高度な演技は人間にしかできません。私達は理性を獲得して進化し続けています。その中でさまざまな能力を獲得しました。そのために悲しいことも山ほど起きています。詐欺、洗脳、搾取。じゃあ人間の進化って、演技って悲しいことか。私達は進化しすべきではないのか。NOです。私達は生まれてきてよかった。
『演技は素晴らしいことができる』この物語はすっかり示しています。私達が得てしまった…続きを読む - ★★★ Excellent!!!秘めていたのは、情熱のかげろう。
殻を破れないでいる剝き出しの魂が、出会った。
本作は葛藤を抱えたまま役を演じきれずにいる女優・舞花と、
同じアパルトマンに住む絵描き・「かける」や、その関係者たち。
小さな町を舞台に、やがて大きな舞台に立つはずの舞花は、
自分に欠けていたものは何か、その本質に気づいていきます。
できるできない。
互いを断じるような境界線が淡くかすんで、やがて窓の外を吹く風のように、
情熱の未来へと広がっていきます。
あれはないものだった、もう失ったものだったと思えば、時は止まってしまう。
はたしてそうなのかと、問いかけられているような作品でした。
本作からは夏のイメージを受け、レビューに「かげろ…続きを読む