超能力という危険性

 超能力は危険だ。
 これはもちろん、現実世界での価値観でもって「物理的に危ない」ということではなく、小説で題材として扱う際の危険性の話である。
 超能力に限らず、作品に人知を超えた存在を登場させる際はそれが作品にとって必要なのか吟味することが大事だ。でなければ、能力の強大さ故に、作品が転覆する恐れがある。
 この作品はどちらかと言うと、能力に押しつぶされかけているかもしれない。
 しかしながらこの作品では、世界の滅亡と超能力を題材としているにも関わらず、全体を通して優しい印象を持たせる言葉遣いや、情景描写が多い。
 心穏やかになりたいのなら、この作品を読んでみるといいかもしれない。
 執筆お疲れ様でした。

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