理想の姿

作者 矢向 亜紀

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★★★ Excellent!!!

怖い。いや、怖いよ。
読み進めていくとまとわりついた違和感が重くなっていき、ラストで客観的事実が明るみになり、彼女の証言に綻びが生じる。
どこから間違っていた? はじめからおかしかったのか?
辻褄合わせを考えるとさらに混乱してしまう。落ちを知って読み返すと見方が変わる。一度だけ読んで終わってはもったいない作品なので、何度も読み直してあなたなりの辻褄を考えてみてほしい。

★★ Very Good!!

 ミステリーでは読者を騙すことが一番大事だ。その上読者たちに「気付こうと思えば気づけたのに!」と思わせられれば完璧だ。
 この作品は主人公の一人語りのみで構成されおり、貴婦人のような口調でことの顛末を語って聞かされる。
 語って聞かせられるということは、語る側が意図して隠した、ないし、語らなくても良いと感じた情報はあえてかいじする必要はない。そのルールをうまく利用した作品だった。
 最後のオチで「なるほど!」となったなら、きっと作者様の思い通りだろう。
 執筆お疲れ様でした。

★★ Very Good!!

自主企画『「極端な人」の登場する小説』へのご参加ありがとうございます。
https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054892714496

ホラーな設定と展開は手慣れている感じで読みやすく、楽しみました。いっそもっと深みに踏み込んでもよかったような気もします。
オチはある程度、予想はできるんですが、地力があるので読ませますね。おもしろかったです。