対比

 冒頭空飛ぶクジラという超常的存在を取り上げた上で、細かく「雨」を描写するこの作品だが、読み進めていくと、この作品はそれとは対極の「乾き」がメインの作品であることがわかる。
 雨と乾き、二つの正反対のものをいきなり描写し始めるので、最初は戸惑うことになる。しかし、さらに読み進めていくと、それは無意味な対比ではなく、意味のある比較だとわかる。
 構成力、文章力、発想力の全てに優れる完成度の高い作品だった。
 執筆お疲れ様でした。

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