純文学、ここに極まりし。と言わんばかりの作品です。主人公が雛鳥たちに興味を奪われていく様は随筆文かと思うほどです。 人家族の日常もしっかりと書かれており、キャラ立ちも魅力の一つで、ありがちな性格故の行動に親近感が湧きます。 やはり見どころは最終話!人間の魅力と主人公の気持ちの移り変わりが織りなす現代ドラマ。ぜひご覧ください。
燕の巣を見ると、どうにかして中の雛が見たくなるのは人間の性ではなかろうか。 この作品は最初こそ「動物に興味はない」と言っていた主人公が、いくつかの事件を通して小さな隣人達と交流を深め、別れるという作品だ。 文章がかなり丁寧に書かれていて非常に読みやすく、状況もつかみやすい。ストーリーの流れや起承転結がも分かりやすく、読んでいてとにかくストレスがないのも素晴らしい点だ。 また、主人公以外の人々の心の動きも丁寧に表現されており、作者様の手腕を感じる。 執筆お疲れ様でした。
玄関先に巣を作ったツバメ。生き物に関わってしまうとどうしても愛着を持ってしまいますよね。小さかった雛が大人になっていく。そこには自然の脅威もあったり。そんなツバメを見守る家族達の奮闘っぷりが優しい世界観で描かれています。巣があると糞や泥などで汚れたりするでしょうけど、掃除をする大変さ以上の喜びがきっとありますよ。
この小説を読んでいると、子供のころを思い出します。あの頃は燕がもっといた気がするのですが。それとも、年を取ると目に入らなくなってしまうのかな。
人を幸せな気持ちにさせてくれる、心温まる物語です。この家の家族が好きになりました。とても素敵な作品です。
私たちの身近に暮らしている藍色の友人たちと家族のお話。丁寧な描写も相まって、読んでいて懐かしさを覚えました。今もどこかで繰り広げられているかもしれない。そんな何気ない日常にスポットを当てた、心温まる物語です。
燕の巣立ちを見守る家族と、自然の摂理を学ぶ子供たちの関わりあいは個性と理性を根底に上手く表現されていたと思います。子供たちがしっかり描かれてあり、襲撃される燕を守るために戦う姿は、心底応援したくなりました。ラストは一枚の絵になる。ほのぼのとした、素敵な物語でした。