誰にでもある残虐性

 アリを踏み潰すのは幼児の常だと思う。
 あるいは、そういった行為を通して幼児は成長していくのだろう。
 この作品ではそういった誰にでもある残虐性と、同じく誰にでもある同調圧力への反抗心を短く力強い言葉遣いで、まるで訴えかけるように紡がれていた。
 小説を書きたいと考える人間が少数派である以上、我々は必ず同調圧力の謗りを受けることになる。日々小説を書いていれば、読んでもいないやつから笑われることもある。現代の同調圧力、世の中を均一化しようとする浸透圧には屈したくないものである。
 小説を書く人にこそ読んで欲しい作品。

 執筆お疲れ様でした。