二転三転

 ショートショートの課題として、短い文字数の中でいかに読者を驚かすか。がある。
 明確な起承転結を作りづらいショートショートでは、基本的な小説の作法に則った流れを生み出すことが難しいからだ。
 しかしながら、この作品では主に2箇所で読者を驚かすように工夫されている。そして、そのインパクトも決して弱くない。
 また内容としても、やりきれなさの残る終わり方を筆頭に、恋とも友情とも呼びがたい不思議な感覚を与え、情景描写は爽やかな夏の山を容易に想像させる。
 悲しい話しだが、読後感は暗くなく、後に引かなかった。
 執筆お疲れ様でした。