由海（ゆうみ）

筆者が仕事上経験した出来事や、耳にした「どうでもいい話」を掲載していきます。守秘義務に抵触する内容はありません。 なお、私は医療従事者ではありますが、業界を代表しているわけではな…

近未来のある日。ヒースロー空港のカフェで主人公はある男性と相席になる。

「『死神』、それも正位置だ、と僕はタロットカードを思い浮かべた。」 就職活動に疲れ、孤独さに耐えかねて地元に帰省する「僕」。 久しぶりに父親と話すうち、「僕」が見つけたのは楽観だ…

新石器時代のシベリア。神霊を敬いながら暮らす〈森の民〉のもとへ、南から、太陽神を信仰する開拓者たちがやってきた。友好の使者として送られたマシゥと、狩人の青年ビーヴァの、友情と闘い…

各地を放浪する少年ディランは、久々に訪れた町で、変わった少女に「護衛をしてほしい」と頼まれる。 彼女が持つのは正体不明の小包で、それを狙うのは怪しい黒装束の者たち。明らかに危な…

「恵みの雨だよ」 　出かけられない恨みの雨のことを貴方はそう言った。 　あの日から雨の日が好きになった。 　貴方に会えなくなった今も雨が降ると嬉しい。 　貴方が…… 　逢…

都月きく音さんの『侯爵様と家庭教師』の二次創作です。実は、この作品のヒロインのおばあさまがそれは素敵な方でして。「お願いだから彼女のお話を書いて？」とおねだりしたら「パティが書い…

他サイトですが 『第十回次に読みたいファンタジー』(エブリスタ様)において、準大賞を受賞いたしました。

　ぴーひょろろ……。 　頭上を鳶（とんび）がかすめていく。 　そろそろ海に近いはずだ。一本松の崖まで、あと少しだ。 　潮の香りと波の音を期待しながら坂道を上っていくと、途中に…

※カクヨム掲載中の『かすみ燃ゆ』の前日談であり、一部に重複表現があります。 東の果て、遥野郷安是の里では、女は恋をすると光る。だが、かすみは十八になっても光らず、〝かすのみ〟扱…

　ある日、学校から帰ったら、家中に火災報知器の音が鳴り響いていた。 　尋常ならぬ焦げ臭さに、ダッシュの俺。 　発生源たる台所には、怪しげな化学者がいた。――俺の姉だけど。

ノリ、ツッコミを幼少期より叩き込まれて育つ大阪人——。 笑わせて、なんぼ、笑って、なんぼ——、それが大阪。 　————そんな大阪人の笑いに対する矜持の欠片もないただの与太話。

本日、2月3日は『ふみの日』という事で、手紙に因んだ短編を書いてみました。 即興で書いたので、超超短編ですがお楽しみ頂けると幸いです。 追記：4/22に少し修正を加えました。

天正十年（一五八二年）六月。 織田信長が死に、明智光秀が死んだ。 細川忠興は彼らの死に様に憧憬する。 忠興は烈しいものが好きだ。 炎の烈しさを持った信長と氷の烈しさを持った光秀…

迷路のような町本防で、通り魔事件発生。有料道案内「送り提灯」の空也（そらや）は事件に巻き込まれる。 通り魔の正体は？　空也は想い人の真菜（まな）を守ることができるのか。 言霊をテ…

奄美大島で古くから生産されてきた「大島紬」は、半年から一年という長い時間を経て、ようやく一反の反物になる。 島に伝わる伝統の技術を受け継ぐ者と、現代のモノがあふれた社会の狭間。 …

人は見たいものしか見ようとしない。この残酷な現実も、人は生きなければならないのか――

　レンタカーで沖縄の中城城へ向かう、一組のカップル。人気のない道を通るため、彼女のイライラと不安は限界を迎えようとしていた。その上、運転手の彼が道を間違えてしまい……。 　実際…

　源氏物語サイドストーリー 　あやかしや異能が当たり前の世界観で紫の上を描きます。

　源氏物語サイドストーリー 　翠子の背の君は、寝相の悪い十二歳の男の子でした。 　あやかしや見鬼が当たり前の世界で、名門の姫君ながら見鬼ではない葵の上の物語を描きます。

　4月14日、恋人のいない男女が黒いものを食べる「ブラックデー」。 　この日、私は独りでランチを食べに行ったのだが……。 　一皿の炸醤麺（チャジャンミョン）から始まった、恋のお…

　遠い親戚夫婦の下に養子に出された少女・サリア。 　十六歳になった彼女は、借金の返済の代わりに、悪い噂の堪えない領主の元に嫁がされることになる。 　教会での結婚式の最中に、ステン…

　源氏物語サイドストーリー　 　藤壺に女御として迎えられた内親王輝子は、一人の少年と出会います。それは輝子の背の君となった帝の第二皇子でした。歳の離れすぎた帝にはかつての寵姫の面…

・「夜叉姫と鶴の婿」……鶴の半生の少年×夜叉の姫、異種婚 ・「恋愛未満コンロ。」……会社員×後輩×ハム、ゆるめ恋愛 ・「紅」…少女×にいさん、和 ・「共鳴する第五指」……高校生×…

今を遡ること数年前。 とあるネタを思いついた私は、異世界ファンタジー小説を書こうと考え、最初の一文を、脳裏に思い浮かべた。 【教訓】考え過ぎて書けなくなるのは本末転倒である。 …

わたしこと一之瀬ゆかりの日課は、街中の大学で准教授をしている駒込榊のお世話係をすること。十五も年上の彼とこんな風に一緒に過ごすことは、わたしにとってもはや当たり前のことで。こんな…

阪神・淡路大震災から２１年目。その追悼童話です。 全編、ねこ目線。 地震描写・生き物の死の描写があります。 ２２年前、あの震災でなくなった多くのかたと、 ２４年生きてくれたわた…

見た目はぬいぐるみのようなロングコートチワワ・わびすけ（13歳・人間でいうと約70歳）が日々の生活の中で感じたことをつぶやきます。 (気ままなチワワなのでたまにしかつぶやきませ…

　リアルでは極端な恥ずかしがり屋さんであるわたくし。それがネットの世界になりますと傍若無人と申しますか、厚顔無恥と申しますか、「コワいものなどなにもなにもねえぜ！」とばかりに豹変…

人類が一度、死滅してしまった世界――。 数百年もの時が過ぎて自然環境がようやく生命の住める状態に戻った時、人の遺伝子が保管されていたある施設が稼働を始め、管理AIが遺伝子操作した…

今年もバレンタインデーがやって来る。 だけど私には関係のないこと。 甘いチョコレートにも。 大切な人との二人きりの時間にも。 だって私は

東京・新宿から電車に乗って、わずかに1時間――。 神奈川県央に広がる綾瀬市には、鉄道駅はおろか、国道すら存在していません。 ところがここには、関東有数の米軍基地・厚木基地がありま…

日本には星が降ってくる町がある。 作者の生まれ故郷の素晴らしき情景を、ぎゅっと込めて書いたエッセイ。 故郷で生まれ育ち、一度町を離れたからこそ気付けたふるさとの美しさに感動し、そ…

福岡県福岡市の紹介……？ 街コン募集期間後に書いた続編を追記します。 シリーズ 『神社しか紹介する気のない観光案内』 https://kakuyomu.jp/works/11…

小さな村に住む少年の一幕。 突発的に思い付いて、勢いのまま書いた掌編です。なんだか専門用語がたくさん並んだ上に、地味ですが、少しでも気にいっていただけたなら嬉しいです。 ※長編…

福岡県福岡市が中心ですが、よその市の神社も出てきます。 シリーズ 『遺跡しか紹介する気のない観光案内』 https://kakuyomu.jp/works/1177354054…

福岡県福岡市早良区の藤崎商店街・高取商店街を舞台にしたフィクションです。 ※　コンピュータくじ引きの位置は、着物屋さんの前だったと記憶していますが、通りの反対側だったかもしれま…

　様々な種族が住む世界、その世界で生きるハーフエルフの運び屋「ヴィクター・エル・ネヴィル」と、各地で出会う人々が作る物語。 　昔夢見たハイ・ファンタジーの世界を渡り歩く、そんなお…

愛媛県西宇和郡伊方町三机という場所を舞台にしたひとり語りの話です。 うちの先祖が眠る場所、そして軍神と呼ばれた人達の宿がある場所。

ＪＲ宇治駅で待ち合わせのはずが、誰も来ない。 最悪だと思っていた宇治が、最高になる若い男女の物語です。 三室戸寺は、西国観音霊場十番の札所で、宝亀元年（約一二〇〇年前）光仁天…

新潟市に実在する、ちょっと変わった神社のお話です。

イーデルト・クローデリア。 それは神子の目を持つ異形の娘に与えられた名前。 神の使い子の特徴と、異界の迷い子の特徴を、一身にあわせ持つイーデルト・クローデリアは、十五になったそ…

　内羽さつきは中学二年生の女の子。水無月町という田舎町で退屈な日常を送っていたが、その生活は若君の目覚めによって一変する。若君…といっても子供ではない。その正体は江戸時代の昔より…

竜が棲む大陸に暮らす少女・アイシャは、片腕を失った夜に、片目を失った竜・ジーヴと共に旅する契約を交わす。少女は生き別れた兄を探すため、竜は一族の生き残りを探すために。 噛み合わな…

　中学最後の夏休み。僕は叔父から大切なメッセージを貰った。 　 　あの夏の大三角形の輝きを忘れない――これが、僕のスタートライン！

死より蘇った銀の女神が見たのは、人の肉体を奪い、その魂を蹂躙する神々が支配している悪夢のような世界だった。 人類を救うために樹海を旅する青年、都築燈火。 彼と、彼に付き従う美しき…

「出雲国風土記」と「古事記」の私的解釈。 倭国大乱の時代を舞台にした物語。 十五歳の狭霧は、出雲の国の姫。 父は武王、祖父は賢王、母は伝説じみた女将軍と、家系には大物が揃ってい…