とても美しい日本語で語られる、切ない人外の恋の物語。失ったものをそっと撫でるような気持ちと共に、日本人の遺伝子に伝わる古く慕わしい風景が浮かび上がります。それは悲劇かもしれない。涙無しに語れないかもしれない。でも、確かに幸せだった記憶。傷痕は物語となり、残された私達に語りかけます。これはたぶん、そんなお話。