★★★ Excellent!!! その歌声が涙を誘う―――― 花岡 柊 遠く異国に嫁いだ、容姿に恵まれない姫。 王宮に雇われし、楽士。 二人の間を強く結んだのは、歌うこと。 ウードの音色も、二人の歌声も、聴こえないはずの音楽が心に浸透し届くようです。 若干十七歳の、いわば娘といってもいい姫の意思の強さと、楽士の想いが涙を誘います。 是非、この儚く切ない物語を読んで頂きたい。 おススメです!! レビューいいね! 1 2019年7月10日 16:28
★★★ Excellent!!! 異国の姫と宦官楽士の、美しくも儚い師弟関係。 まるて いやー、なんて美しくも儚い物語なのでしょう。 異国から嫁いできた天性の歌声を持つ姫と、声変わりを避けるため男を捨てた楽士との、性別、身分、生まれ、そのすべてを超越した師弟関係に涙しました。 地の文も世界観もとても読ませます。 まるでオードパルファムのような小説でした。 ラストノートまでの展開の盛り上がり方が、まるで濃厚な薔薇がパッと花開くようなのです。 とても引き込まれました。 レビューいいね! 2 2019年7月1日 23:41
★★★ Excellent!!! 美しい歌が聞こえてくる情緒溢れる物語 ふみくん 殆どのヒロインが美しい容姿をしている(自分で書いているものも含めて……)中で、容姿には恵まれていない姫。 主人公も力や特別な才能があるわけではない。 剣や魔法があるわけでもない。 それでも惹かれる美しい物語。 姫の歌が認められ、幸せになって欲しい。 そう願っています。 レビューいいね! 1 2018年5月19日 22:48
★★★ Excellent!!! 遠い昔、西域へ贈られた東洋の花の物語 縹 イチロ 大国より遠く離れた砂漠のオアシスへ和平の印に贈られたのは、容姿に恵まれぬ姫でした。 才能を秘めながら寡黙の中に自分を隠し、ちっとも笑わぬその姫は、王のハレムでウード弾きの歌人と出会います。乾いた砂を渡る風の中、黄金の陽に照らされ、ひっそりと咲いていた東洋の小花。西と東の交わる所で歌い継がれた物語(バラッド)に、耳を傾けてはみませんか? 舞台を構成する文章に華があります。読み進むうち、あっという間に異国情緒あふれる小国へ誘われてしまいました。素直に素敵です。 続きを想像しながら、物語が進むのを待ちたいと思います。 レビューいいね! 2 2016年12月20日 16:03
★★★ Excellent!!! 沙漠の王宮で、若きうたびとが見たもの、感じたこと、聴いた歌 馳月基矢 沙漠の交易路の宿場町で、老いたうたびとが、 思いがけず高く澄んだ声で歌物語を紡ぎ出す。 彼の若かりし日、仕えていた王宮。 そこに嫁いできた、ひどく醜い東の国の姫のこと。 まるで唐代シルクロードのオアシス都市国家のような、 東西交通の要衝に建ち、急速に発展したその王国に、 和平交渉成立の証として、某国の姫君が送られてきた。 彼女の持ち物は豪奢で、絹や螺鈿、漆細工など。 と、風情のない歴史の教科書のような書き方をしてしまって、 (実際はもっとちまちまやらかしていた分析を削除した) 研究者型東洋史マニアの自分に、ちょっと嫌気が差した。 本作の魅力は、情緒と哀愁に満ちた世界観だというのに。 ウードの調べと柔らかな語り口に魅せられて、 物語の続きが楽しみでならない。 はるか一千年以上の古きユーラシア大陸のような、 異世界ファンタジーの王国史の空気が、すごく好きだ。 レビューいいね! 2 2016年12月19日 03:46
★★★ Excellent!!! ウードの調べで語られる、異国の姫の物語 月ノ瀬 静流 まだ始まったばかりなのですが、文章から溢れ出る情景の素晴らしさに、ついレビューしたくなりました。 物語の語り手はウードを弾く楽師。仕えている身ですので、傍観者でいるしかありません。その彼の口を借りて綴られる言葉は穏やかなのですが、どことなく張り詰めた後宮の雰囲気がひしひしと伝わってきます。 これからの展開が、とても楽しみな作品です。 ぜひ、ご一緒に、この物語を追っていってみませんか? レビューいいね! 2 2016年12月3日 19:32