遠い昔、西域へ贈られた東洋の花の物語

大国より遠く離れた砂漠のオアシスへ和平の印に贈られたのは、容姿に恵まれぬ姫でした。
才能を秘めながら寡黙の中に自分を隠し、ちっとも笑わぬその姫は、王のハレムでウード弾きの歌人と出会います。乾いた砂を渡る風の中、黄金の陽に照らされ、ひっそりと咲いていた東洋の小花。西と東の交わる所で歌い継がれた物語(バラッド)に、耳を傾けてはみませんか?

舞台を構成する文章に華があります。読み進むうち、あっという間に異国情緒あふれる小国へ誘われてしまいました。素直に素敵です。
続きを想像しながら、物語が進むのを待ちたいと思います。

その他のおすすめレビュー

縹 イチロさんの他のおすすめレビュー14