風や大地、炎に水、光といった大いなる力を司る竜たち。自然界の調和を司る彼らは、他方でその力による破壊ももたらしてしまう。
人間の生活圏と竜たちの世界が重なることによって生じた破壊は、新たな衝突と憎しみを産み、終わりのない闘争へと彼らを突入させてしまった。
竜を狩る者たち、竜と人とを繋ごうとする者たち、人間と戦おうとする竜たち、そして共存を目指そうとする竜たちの意志が衝突する、壮大な世界のお話です。
記憶を失った少年と、風変わりな少女が出会ったところから、物語は始まります。
ドラゴン好き、少年少女が主人公の欧風王道ファンタジーがお好きな方は、きっとお気に召すと思います。戦闘シーン多めなところも魅力です。
彼らが数々の冒険と葛藤の末にたどり着く世界を、是非ご覧下さい。
人が、竜が織りなす、世界のあり方を巡る壮大な物語。
記憶を失くした少年は駆ける。やがて偶然は運命と重なり、封印されし宿命へと至る。長い長い旅路へ。
竜と人を結ぶ末裔の少女は祈る。それは竜のため。そして人のため。
二人は繋ぐ。その出会いを。それは人間たちの思想を、感情を、そしてあり方を変えていく。
本当にわかりあうことなんて、都合のいい和解なんて望めないのかもしれない。
意味のない暴虐性は、誰しもが持ちうるのだから。人も竜も。
けれど、みんなが望んでいる。それぞれのやり方で焦がれている。
共に生きていくために。
まだ灯りが漂い始めたばかり。
黄昏に似た不確定な未来。
それでもきっと、確かに紡がれたその灯火は。
永遠に近しい、青い煌き。