還そうこの世界のために 共に生きていくために

人が、竜が織りなす、世界のあり方を巡る壮大な物語。

記憶を失くした少年は駆ける。やがて偶然は運命と重なり、封印されし宿命へと至る。長い長い旅路へ。

竜と人を結ぶ末裔の少女は祈る。それは竜のため。そして人のため。

二人は繋ぐ。その出会いを。それは人間たちの思想を、感情を、そしてあり方を変えていく。

本当にわかりあうことなんて、都合のいい和解なんて望めないのかもしれない。

意味のない暴虐性は、誰しもが持ちうるのだから。人も竜も。

けれど、みんなが望んでいる。それぞれのやり方で焦がれている。

共に生きていくために。

まだ灯りが漂い始めたばかり。

黄昏に似た不確定な未来。

それでもきっと、確かに紡がれたその灯火は。

永遠に近しい、青い煌き。

その他のおすすめレビュー

遠藤孝祐さんの他のおすすめレビュー237