概要
安是(あぜ)の里では、恋をした女は光る。
※カクヨム掲載中の『かすみ燃ゆ』の前日談であり、一部に重複表現があります。
東の果て、遥野郷安是の里では、女は恋をすると光る。だが、かすみは十八になっても光らず、〝かすのみ〟扱いをされていた。
娘頭は今日も今日とてかすみを山へ遣いにやる。
夜の山は危険であり、人の領域ではなかった。事実、一年前の秋祭の晩、里を抜け出したかすみは物の怪と出会っていたのだ。
里への恨み、夫への思慕、情念の光が燃え上がる。
東の果て、遥野郷安是の里では、女は恋をすると光る。だが、かすみは十八になっても光らず、〝かすのみ〟扱いをされていた。
娘頭は今日も今日とてかすみを山へ遣いにやる。
夜の山は危険であり、人の領域ではなかった。事実、一年前の秋祭の晩、里を抜け出したかすみは物の怪と出会っていたのだ。
里への恨み、夫への思慕、情念の光が燃え上がる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この集落の離婚率は低いのだろうか? それとも高いのだろうか?
「むか〜し、昔」で始まりそうな、江戸時代以前の日本の何処か寒村でのお話。
作品リストを眺めると、本作品を長編化した「かすみ燃ゆ」が連載中。作者が構想を膨らませ、大作に仕立て上げようとしている最中なんですね。そう言う意味じゃ、この短編はプロローグなんでしょう。
(私は完結作品しか読まないので、長編の方は未読です)
さて、本作品。文章に味がある。花鳥風月を愛でるような書きっぷりなれど、風流さではなく艶やかさを匂わせる文章。坂水さんの作品は安心して読めます。
最も面白い点は内容です。
作品紹介文にも書いてるので、ネタバレにはならないでしょう。恋する女は光る。
婚前なら良いんですよ。でも、人生は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!因習に縛られた暗く深い里山に情念の光が怪しく灯る
恋をした女の体は光る、という風習を持つ里。かすみの身体は18になっても光らない。
その所以は、親の業か、生来の里の者とは異なる器量か。天涯孤独のかすみは、里の中の異質な存在として「かすのみ」扱いを受けることとなる。
だがしかし、かすみには秘めたる秘密があった。己が情念を怪しく燃やし、許されざる者との契りを交わす。
里山の風習や母親の業など、答えの提示されない謎を散りばめたまま、物語は淡々と、時に情熱的に語られていきます。
怪しくて、ものがなしく、そしてどこか芯の強い燃えるような雰囲気がとても好きです。
不思議で情念を感じる奇譚がお好きな方でしたら、ぜひ。