この集落の離婚率は低いのだろうか? それとも高いのだろうか?

「むか〜し、昔」で始まりそうな、江戸時代以前の日本の何処か寒村でのお話。
作品リストを眺めると、本作品を長編化した「かすみ燃ゆ」が連載中。作者が構想を膨らませ、大作に仕立て上げようとしている最中なんですね。そう言う意味じゃ、この短編はプロローグなんでしょう。
(私は完結作品しか読まないので、長編の方は未読です)

さて、本作品。文章に味がある。花鳥風月を愛でるような書きっぷりなれど、風流さではなく艶やかさを匂わせる文章。坂水さんの作品は安心して読めます。

最も面白い点は内容です。
作品紹介文にも書いてるので、ネタバレにはならないでしょう。恋する女は光る。
婚前なら良いんですよ。でも、人生は長い。結婚後は厳しいですよ。
「あっ、あの人、いい感じ」なんて考えたら、配偶者にバレバレ。落ち落ち繁華街も歩けない。(寒村なんで繁華街は無い)
浮気なんて持っての他なんで、表面上は円満にしろ、夫婦仲は冷めますよね。新婚時の心境を死ぬまで維持するなんて不可能。光度が落ちますよね。そうすると円満離婚に突入しそうな気もする。
下らない事をツラツラ考えたら、レビュータイトルになりました。

でも、本作品は面白いです。
短編にはMAX2つが信条ですが、星3つ入れました。

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