翠子の結婚

作者 真夜中 緒

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★★★ Excellent!!!

 源氏物語を織りなす糸の一本にスポットライトを浴びせた作品です。
 主人公は葵の上。
 多くの人が思い描いている、彼女のお高く止まったようなイメージが覆されます。
 
 1人称で語られるため、葵の上(翠子)に親近感がわきました。
 
 素敵な物語をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

源氏物語の葵の上って、ちょっと嫌な女ってイメージがあります。
つんと澄ましてお高くとまって。
だから逆恨みされて呪い殺されたんだ、って。あまり同情も感じなかった。

だけどこちらの作品では、葵の上を生き生きと、血の通った少女として描き出しています。
少し軽めの文章で描かれる物語は、葵の上(翠子)の不満や戸惑い、恐れや後悔を、とてもリアルに且つ優しく私たちに伝えてくれます。
ぎこちない日々にやっと訪れる柔らかな光。温かい安らぎ。そしてそこに兆す、影。
結末を知っているのに、いえ、知っているからこそ、翠子の幸せを願わずにはいられなかった。

ひとりの少女の成長を。
ひとりの女が愛する者に遺していくものを。

是非、見届けていただければと思います。