概要
他人の恋物語の続きを押し付けられた時、人はどうすればいいのでしょうか。
源氏物語サイドストーリー
藤壺に女御として迎えられた内親王輝子は、一人の少年と出会います。それは輝子の背の君となった帝の第二皇子でした。歳の離れすぎた帝にはかつての寵姫の面影を求められ、その寵姫の忘れ形見である第二皇子にも執着されることで、輝子は奈落へと落ちていきます。
あやかしと異能が当たり前の世界で描く、藤壺の宮の物語です
藤壺に女御として迎えられた内親王輝子は、一人の少年と出会います。それは輝子の背の君となった帝の第二皇子でした。歳の離れすぎた帝にはかつての寵姫の面影を求められ、その寵姫の忘れ形見である第二皇子にも執着されることで、輝子は奈落へと落ちていきます。
あやかしと異能が当たり前の世界で描く、藤壺の宮の物語です
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!源氏に消えることない面影を残し続けた、彼女の本当の思いとは。
光源氏の生涯において、最後まで光と影を落とし続けた存在「藤壺」。
光源氏は「藤壺」の存在ゆえに苦しみ、自らの周りの人間を苦しめてきました。
それは決して「藤壺」が彼女が悪いわけではない。ですが、彼女の存在は光源氏の生涯のなかで消えることない光とも、影ともなって現れます。
しかし、この『藤の庭』はそんな彼女こそ、本当の苦しみを味わった女人であるということを、私に教えてくれました。
美しく巧みな文章は、そんな彼女の思いに寄り添いながら、私達を物語のなかにいざよいます。
彼女が「光」と過ごした日々、輝きに溢れていた彼女の見る景色、ずっとそのままでいられたら、と私は思わずにはいられません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!狂おしいほどに密やかに
源氏物語、第一帖。
お馴染みのストーリーを藤壺の女御の視点から描いています。
運命の糸に絡め捕られ、翻弄される、ひとりの女の物語。
己の心のままには生きられない不自由な時代。
多くのものを諦め淡々と過ごす彼女の元に不意に訪れた、光。
狂おしいほどに求め、赦されない恋に身を焦がす。
私は光源氏が嫌いです。
無節操なのはダメ!ゼッタイ!!って、思ってる。
だけどこの恋は切なくて。苦しくて。
胸が締め付けられるような一言一言に、目が離せませんでした。
高い文章力。
言葉の選び方の素晴らしさ。
どうしてこの作品が、☆12なんだろう。
続く物語には☆がひとつも付いていない。
信じられない。
埋も…続きを読む