源氏に消えることない面影を残し続けた、彼女の本当の思いとは。

光源氏の生涯において、最後まで光と影を落とし続けた存在「藤壺」。
光源氏は「藤壺」の存在ゆえに苦しみ、自らの周りの人間を苦しめてきました。
それは決して「藤壺」が彼女が悪いわけではない。ですが、彼女の存在は光源氏の生涯のなかで消えることない光とも、影ともなって現れます。

しかし、この『藤の庭』はそんな彼女こそ、本当の苦しみを味わった女人であるということを、私に教えてくれました。

美しく巧みな文章は、そんな彼女の思いに寄り添いながら、私達を物語のなかにいざよいます。

彼女が「光」と過ごした日々、輝きに溢れていた彼女の見る景色、ずっとそのままでいられたら、と私は思わずにはいられません。

今まで見えてこなかったものを見せてくれた、『藤の庭』に感謝でいっぱいです。
そしてまた、彼女の思いを綴り出すことのできる、筆者様の深い見識と表現力に脱帽です。

彼女の見た、本当の景色をあなたも覗いてみませんか?
きっと、新たなものが見えてくるはずです。

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