きょうじゅ

　なんか、読み始める前の時点でね、解説文と打たれてるタグがもう強いな、っていう印象がありました。で、まあ最後まで読んだわけですが、一言ただ「いい」と思いました。なんていうか、「いい…続きを読む

　リメイクというか翻案というか、リボーン・オブ・ギリシャ神話っていう趣の作品。古代ギリシャ神話の、冥王ハデスとその妃ペルセポネの出会いを描いた神話物語です。ストーリーの骨格そのもの…続きを読む

　寓話的で、かつ哲学的な話。雰囲気がかなり好きです。第一話目の、ひらがなが一気に襲ってくるやつがそのまま続いたらどうしようかとは思ったけど、別にそんなことはなかったし。メルヘンのよ…続きを読む

　神の花嫁と呼ばれる盲目のヒロインと、希望のない逃避行をして、そして失敗する話ですね。作品世界に通底して流れるひやりとした世界観がとても私好みです。そして、救いの欠片もない、そして…続きを読む

　ファンタジー作品。といっても現代の日本が舞台で、かなり地に足がついた現実寄りの世界観なのですが、主人公の女性の一族に代々祟りをなす猫神がいて、それがある日忽然と彼女の前に姿を現し…続きを読む

　はっきりいってこれかなりすごい作品です。まず、吸血鬼が自分たちの宗教を創る、という、その奇想だけで「やられた」っていう感があるんですよね。吸血鬼ものというのは一種のジャンルと言っ…続きを読む

　尾八原ジュージさんによる、お得意のホラー小説です。 　舞台はノスタルジックな薫り漂う昭和三十八年の日本。ひとりの少女を語り手として、彼女とその姉、つまり五歳年が離れた姉妹の物語…続きを読む

最初からバカなんだけど、最後にギアが限界まで引き絞られて、さらにバカになる感じがとてもよかった。勢いにあふれてた。

「テーマは『神』」という、それ以上でもそれ以下でもない企画（第三回偽物川小説大賞）に対する応募作として執筆され、そして主催者である私に対して一つの究極のアンサーを叩き込んできた作品…続きを読む

分かってはいたんです。
こういう物語構造である以上、終盤にはこの演出がくるであろうことを分かってはいたんです。

でも。
それでも。
確かにこんなに、胸を打たれるんだ。

はじめ実は設定だけ見て「自力で動ける生首は俺の嗜好と違うなあ」と思って読み始めたんですがそんな違和感は冒頭で軽くふきとびました。 美しくも悲しく、そしてグロテスクな愛の物語です。…続きを読む

アステカ小説だ！（歓喜）
滅多に日本語では読めないジャンルなのでとても嬉しいです

拙自主企画、「偽教授黄金杯」にてグランプリとさせていただいた作品。 ファンタジーにカテゴライズされていますが、痛快でありかつ物悲しい、オチまで読み込むとホラーテイストな作品です。主…続きを読む

みんなろくでなしな感じがアングラ感に溢れていてとてもよい。

『偽教授悲恋杯』という私の自主企画に書き下ろしでご参加をいただいて、グランプリに選出させていただいた作品。胸に迫るような、痛切な悲恋の物語です。今、久しぶりに読み返したんだけどちょ…続きを読む

泰然としてただ其処に在る、或る終末を迎えんとする美しき被造物の物語。
初見ではおそらく意味が分からないであろう章名にもちゃんと秘められた意味があります。

拙自主企画“偽教授豪雪杯”にご参加をいただき、 グランプリに選出された作品になります。 まず、雪像人という奇想がとても良かったです。 雪なくして物語が成立せず、また画像の挿絵とし…続きを読む

『偽教授灼熱杯』、すなわち「何でもいいからとにかく熱さがテーマの作品を」というほとんど無茶ぶりに近い私の自主企画に書き下ろしていただき、そしてグランプリとなった作品。 熱さのモチ…続きを読む

神様と人間、交わらざる二つのものの報いられない両片思いの物語です。このタイトルがね、ラストシーンに繋がってるんだけど、そのシーンが切なくて悲しくて美しくてもどかしくて凄く、凄くいい…続きを読む

惜しみなき愛という意味の名で呼ばれる寵姫と、美しき女死刑執行人の短くも濃い絆を、革命の旋風という架空歴史の背景の上に描き出した重厚な力作。おすすめですよ。

青森にある「イエスの墓」と称される珍スポットをネタに、そこに現れた謎の「救世主」と短い交流を持つ青年の物語。不思議な読後感があります。

耽美だ。ストーリーはちゃんとあるんだが、そのストーリーもひたすら耽美で、その他ありとあらゆるおよそすべての構成要素が「耽美さ」に流れ込んでいる。美しい。

っていうレビューを書こうと読んでる途中で思ったんだけど、デビルマンのは「アモン」であって「マモン」じゃなかったんだよね……。 まあ、名前が似てるからというだけの理由でこの二柱は同…続きを読む

いやぁ……すごい時代だなあ。 戦争の内容そのもの自体がどうっていうんじゃなくて、その戦争の情報が半リアルタイムでこうやって編纂されて蓄積されていくというこのシークェンスそのものが、…続きを読む

見事なまでに救いのかけらもありません。これぞクトゥルー神話、っていう感じです。

一見、凡庸そうに見える物語を最後でひっくり返す、というのは物書きなら誰でも憧れるんじゃないかと思いますが、実際なかなかやってできるものではありません。しかしこの作品は、それに成功し…続きを読む

こんなに眼鏡愛を感じたのは『眼鏡橋華子の見立て』に出会った時以来だ。

最初読み始めたときはちょっとした怪異譚かと思ったら、なんか宮崎アニメを思わせるようなスケールのでかい神と人の物語に発展したんでビビりかつ感動しました。

殉教を嘆くな。彼らの血は教会の種子である
——教父テルトゥリアヌス

途中まで読んだ時点で分かってたんですが、この種の物語は一つしか落としどころがないんですよね。そう。美を永遠にする唯一の手段は死です。これ、実話として実際に実践した有名な人物がいます…続きを読む

何処でも見たことがないんだけど、何処かで見たことがあるような作品。これは既視感ではない、郷愁だ。まるであの懐かしの「にっぽん昔ばなし」を観ているような、そんな気持ちにさせてくれる作…続きを読む

えー、手前味噌ですが自主企画『偽教授宇宙杯』グランプリ作品に選出させていただきました。到達可能な宇宙の隅々まで「かつて人類だったのかもしれないもの」が行き渡り、過密状態に陥った銀河…続きを読む

自分が書きたくても書けないものを見せられたような気がする。うーむ。悔しい。

確かにこれはホラーだが、同時に倒叙ミステリーでもあると感じた。といっても、殺人事件が起こるわけではない。主人公の行動がまず最初にあり、その理由が少しずつ明かされていく、その構造が一…続きを読む

異世界の架空宗教と、その信仰者を描いた幻想譚。良いものを見せてもらいました。

「誰にも迷惑をかけず、自殺であることが分からないように死にたい」という友人。方法を考えてみるがなかなか見つからない……読み手の頭に満ちるはてなマーク。そして、最後はテーマ通りの「ハ…続きを読む

日本神話ベースの怪異譚。ジュージさんの書簡体小説は独特の味わいがあって好きです。

なんでしょうね。解説するのが難しいです。ただ、一つ思うのは、こういう奇想天外な作品を読めるのがこんにちのWEB小説界隈の、あまり多くの人が知らない価値なのではないかと、そう思う次第…続きを読む

しょうじき本編には手が回ってないんですが、「引き込む力」がすごいです
本編読まなきゃ……ﾈｺﾁｬﾝ……

久々にファンタジー小説らしいファンタジー小説を読んだような気がする。
身体はただの剣だけど心は乙女な魔剣ちゃんが、彼女だけのヒーローと旅をするおはなしです。

『偽教授雨天杯』という私の自主企画に書き下ろしていただき、そしてその企画で「グランプリ」に輝いた作品です。しかし、輝いた、という表現が違和感を覚えるくらい、ぞっとするような手触りの…続きを読む

2020年の春に私が主催した自主企画『偽教授美顔杯』の参加作にして、そのグランプリに選ばせていただいた作品。恐ろしく耽美な、美しくも毒々しい情感を讃えた力作です。

巧妙な叙述トリック、意想外の展開……どこをとっても大賞の名に恥じない作品でした。