遠い海の向こうに馳せる思い、即ち思惟とSea。

 なんか、読み始める前の時点でね、解説文と打たれてるタグがもう強いな、っていう印象がありました。で、まあ最後まで読んだわけですが、一言ただ「いい」と思いました。なんていうか、「いい」んです。なんていうのかな。何がいいのか、どう良いのか、うまい言葉が思い浮かばないな。ともかく、確かに解説文とタグの通り、これはかなり強い作品だと思う。

 まず、タイトルがうまいです。すっごいセンスがある。ビーとフラット、それだけでも響きがいいのに、bと♭、と表記するとさらに美しくなる。しかも、Ball and Flatと展開されて、物語の内容をちゃんと受けていて、タイトルが内容を回収している、っていう。極めて高度なテクニックです。正直、わたしでは真似ができる気がしない。すごい。感服した。