大晦日。森深くに存在する村の因習により、一人の少女が悪塊に選ばれた。それは暗澹様に汚れとして捧げられ、村の安寧のために逃れられない儀式で――。文章力が高く、描写も丁寧で状況が把握しやすく、充分に物語を楽しめました。エピローグに至るまで、一体どうなるのだろうかと、登場人物たちの言動に耳を澄ませながら読み終えた次第です。心に残されるのは、不安めいた陰鬱さかもしれません。ですが、それを含めてお薦めしたい物語です。
聖とは何なのか。悪とは何なのか。深く考えさせられます。
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