きょうじゅ

よい作品。だから、とても物悲しい。

みぞおちにボディーブロー入れられたかと思った。そういう小説。

えー、詳細は別途発表されているのですが、自主企画「第五回偽物川小説大賞」のために書き下ろされ、そして大賞に輝いた作品。砂漠に立つひとりの女のイメージがただただ美しい。

聖とは何なのか。悪とは何なのか。深く考えさせられます。

手前みそな話で申し訳ないのですが、私こと偽教授がやっていた「偽教授神饌杯」という企画のために書き下ろしていただいた作品で、同企画のグランプリ作品です。最近はやりの異世界ファンタジー…続きを読む

いやー……久々にすごい小説を読んだ。バイオレンス小説にこれだけの衝撃を受けたのはハーラン・エリスン以来だぜ。

ものすごく苦吟したんだろうなというのが分かる、凝りに凝りを凝らした宝石の詰まった箱のような文章の連なり。それでいて、実はちゃんと小説として成立している。素晴らしかった。

半人半妖で巨大な獣の姿と人間の姿の二相を持つあやかしと、人間の若者が二人旅をする、ほのかにBLの風情が漂うバディもの。であるわけですが。 人喰いの怪物である不知火以上に、それと行…続きを読む

恋する油圧ショベルの恋をしている感の描写があまりにも素晴らしくて、引きずり込まれるように全部読んでしまいました。

まだ一話なんだけどあまりにもダメそうでわらう

完結したので追記
想像以上に何から何までダメだったのでほんとわらう

本作品は同作者による長編小説『感傷的なシンセシス』の直系の続編である。時間軸的にも続いているし、設定も継承されており、舞台となっている世界も同じで、だいたいの登場人物が引き続き登場…続きを読む

この小説は即興で作り上げたものなんだそうだ。実際、SNS上でずっと連載している様子を見てはいたからそうなんだろう。小難しい文学論って実は割と苦手なので思いつくままのことを書くんだけ…続きを読む

アリスという名の病がある。Alice in Wonderland syndrome、不思議の国のアリス症候群。短くアリス症候群とも言う。これに罹患した者は、世界に対する自分の大きさ…続きを読む

内容そのものは独立ですが、言うなれば「みんこわ」こと『みんなこわい話が大すき』に続く、「よみごシロシリーズ第二弾」みたいな位置づけにあるのだろうと思われる作品。なんですけど、よみご…続きを読む

古来、名付けとは呪であるとされる。たとえどれほどまでに恐ろしい力を持った存在であろうとも、その正体が分かってしまえば、その者に名前を与えてしまえば、必ず、恐怖というものは薄れ、そし…続きを読む

奇想天外な着想といい、無茶でありつつもなんかありえそうな感じがしてくる丹念な描写といい、どこをとっても第一級のディストピア文学。おすすめです。

ある種の怪異討伐譚であり、同時に神話的な美しさも持っている物語。一読三嘆、という感じでした。

青春という言葉をそのまま小説にしたような、いろんな意味で実に初々しい私小説風の恋愛小説。なんていうか、自分がどこかに置き忘れてきたものを見るかのような思いがして、素敵です。

本作品は、『偽教授孤食杯』と題し、「食に関する書き下ろしの小説で参加し」「グランプリになった作品に登場する作品を、主催者である私が、12月24日の夜に実食する」という企画に応募され…続きを読む

ストーリーとして何がどうという話ではないんだけど、ただひたすらに、すべてが美しい。たまーにこういう美しいものと出会うことがあるから、WEB小説というものもやめられない。

ジャンル「異世界ファンタジー」となっていますが、明らかに20世紀ドイツの実在の政体「ワイマール共和政」を下敷きに取った、架空史の物語となっています。この作品の特徴的なところは、ツイ…続きを読む

『きょうを読むひと』というタイトルにする、という企画に参加している書き下ろし作品で、はじめ「経を読む人」というスタンダードな解釈が取られているのですが、そこからの話の展開がものすご…続きを読む

なんかね、ツイッターで企画やってたんですよ。「お嬢様っぽい名前を考えてリプライで送ってください」って。で、私はツイッターではネタ職人なので、深く考えずに脊髄反射的なノリで「豪血寺お…続きを読む

すごく面白かった。すごく面白かったけど、これジュブナイルって言ってしまって大丈夫？　おれ小学生とか中学生のときにこんなキツエグい小説よんでた記憶ない。でもすごく面白かった。

最後の最後でしんみりした雰囲気とかがすべてぶち壊しになるホラー掌編。いや、マジで誰だよお前。

セルフ二次創作って書いてあるけど、ざっと読んだ限りでは続編ですね。シュールな世界がシュールなまま継続していき、やっぱり指を食べる。今回はたくさん食べる。とてもグロテスクなことをして…続きを読む

シュールに始まりシュールに終わる、シュールさ極まる掌編。指が落ちている。何故落ちているのか、特に説明はない。女は指を拾って食べる。何故食べるのか、それは腹が減るからで、そこに深い意…続きを読む

国の名前くらいはかろうじて知っているけど、その歴史を語ってみろと言われても困ってしまう、高句麗という古代王国の英雄説話。多分、これを日本語訳で読めるというだけで貴重な機会だし、それ…続きを読む

冒頭が強いなこれ。書き出しが、じゃなくて、冒頭が強い。具体的には、「～奇跡の発生が公式に確認されている。」までのことです。インパクトがあるし、一瞬で世界観に引き込まれる。あと、何は…続きを読む

「名前がある、ということを愛する」という感覚から、「名前のないそれもある」という事実を突きつけられたときの落胆。その感覚はそれだけでも文学的なものなのですが、この物語はそこで終わら…続きを読む

スナイパーと祈りっていうコンボ、好きです。

神を知らない子供たちのはなし。荒廃した世界に生きる二人のバディ感はよく描き出せていると思います。

これはただの個人的な感慨なのですが、信仰というものについて、色々と考えさせられる作品でした。

　リポグラムって概念、初耳だったので、正直読み始める前に解説文を読んで目を疑いました。で、読みましたが、確かになんか明らかに日本語が変です。下手なのではなく、リポグラムで書いている…続きを読む

長さの割にはすっきりとしているタイトルと、そこから敷衍される内容の明確さがよかったです。分かりやすいタイトルに分かりやすい物語構造ゆえにノーストレスで読める、という点を高く評価しま…続きを読む

すっごくスタンダードな、印象としては比較的若者向けのファンタジー小説を読ませてもらったなあ、という感じの読後感でした。そのライト感が持ち味の作品だと思います。

　禍々しい作品、と五行目くらいを読んだときに思いました。でも、最後まで読んでも確かに禍々しいんだけど、同時にひどく優しい話でもあるんだよね。 　主人公はとても悲惨な境遇にある、お…続きを読む

掌編の作品です。軽い文字数に即して、実際割とサラッとした雰囲気でサラッとした内容の作品なんだけど、語り口の軽妙さがうまくてけっこう引き込まれました。結局そいつは神について何を言った…続きを読む

　本作品、一つ感じたのは文章力の水準がとても高い、ということです。物語のエッセンス自体は、よく書けていると思います。こういうことがやりたくて、こういうことをやったんだな、というのが…続きを読む

　永遠に続く八月三十一日という概念の中にいる、名も知られることのない神。なかなかの変化球です。この作品は『神』がお題の自主企画のために書き下ろされたもので、それを踏まえて野球のルー…続きを読む

　けっこうよく書けているし、内容にも味があって悪くなかったです。最初、「この老人が神である」という予測を立てて読んでいったのですが、そこを裏切ってくるのが、演出として割と小憎くてよ…続きを読む

　太宰治の『駆込み訴え』を下敷きにした作品ですね。はい。イスカリオテのユダがイエスについて独白するという構造、そして最初と最後の完全に一致する台詞からして、それで間違いはありません…続きを読む

武州さんお得意のスプラッター系ホラー、「復讐の神」が人を殺しまくるグログロ小説ですね。出てくる人間どもの、もう一人残らずどうしようもなく救いがない感じが、その方向性でキャラが立って…続きを読む

　人が神になる、というか厳密に言えば違うんだけど、人をもとにして生まれた神たちの物語。そして耽美。なんていうんでしょうかね、こういうのもブロマンスって言うんでしょうか。登場人物そん…続きを読む

　タグを見るとこの作品は『マヤ文明風』であるらしいです。マヤ文明。アステカのことなら少しは知ってるんですが、マヤについてはあまりよく知りません。それはまあいいや（マヤだけに）。 …続きを読む

　この作品を読んで一番思ったことは、『小説らしい小説と言うものを読んだ』ということです。すごく、小説でした。何を言ってるのか分からないかもしれませんが、とにかくそう思ったのです。す…続きを読む

　まずタイトルの話をします。とてもカッコいいですね。使われている単語もカッコいいし、口にした際の響きもとてもいい。グッドです。私はタイトルのいい小説が大好きです。不条理で、悲劇的な…続きを読む

　凡庸なことを言うようで申し訳ないですが、まず一言で感想を言います。「面白かった」です。率直に、そう思いました。かなり奇想天外なアイデアで書かれた、ホラーなのかシュールギャグなのか…続きを読む