永遠に続く八月三十一日という概念の中にいる、名も知られることのない神。なかなかの変化球です。この作品は『神』がお題の自主企画のために書き下ろされたもので、それを踏まえて野球のルールに即してストライクかボールかで言えば多分ボクシングで言うところのラビットパンチなんですけど、それはそれとして面白かった。「多神教的な神」といえばまあそうなんですけど、ギリシャ神話でいうような人間に近い神とはまったく違う、どっちかといえば妖怪の上位存在であるところの神みたいな雰囲気の、馬鹿げているんだけどどこか物悲しくもある、そういう印象でしたね。