大学生の「おれ」の近所、細い高架下には、壁をなぞってぶつぶつと何かを呟く女がいる。彼女を不気味に思いながら通りかかった時、「おれ」の耳に彼女の言葉が届く。日常の中に潜んでいるちょっとした違和感から始まるホラー短編。どうにもならないラストが、尾を引く怖さを演出しています。ありえない話、と切り捨てるのには、妙な生々しさが漂います。ある日突然、おぞましい何かに足元を掬われてしまいそうで、こちらの生活も脅かされるような予感に満ちています。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(200文字)
もっと見る