ある人のことを考えた時、趣味や性格、職業は分かるのに、その人の名前だけはなぜか思い出せない現象のことを「ベイカーベイカーパラドックス」と呼ぶが、本作はそれに基づいた構成になっている(詳しくはWikipedia参照)。内容についてはここであまり触れることはできないが、「軽妙な語り口の真髄がここにある」とだけ言っておこうか。
掌編の作品です。軽い文字数に即して、実際割とサラッとした雰囲気でサラッとした内容の作品なんだけど、語り口の軽妙さがうまくてけっこう引き込まれました。結局そいつは神について何を言ったんだよ、聞かせろよ、って先が気になっていく感じだった。小品だとは思いますが、小品らしい良さがありますね。
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