ムネ肉、安くて美味しくていいですよね……

 何気ない日常の一幕で思い出す、同級生との会話。冒頭と結末部分をつなげていくと「もしかしたら」というものが見えてくるお話。

 というかまあ、名前がストレートな英語なので、落ちを読むと「そこ」はまず間違いないだろうなと思います。
 それに冒頭の宗教勧誘チラシ。こういうものは無差別に投函されるのが常ですが、特定の相手に宅配便で届けられるということは、送り主は一人しか考えられません。

「宗教」というものは、世界三大宗教以外は怪しげなカルトのように思われがちですが、「三大」ということはそれ以外の宗教もまた、無数にあるのです。
 ですので、それが詐欺にせよまっとうなものにせよ、人があるとき宗教に入っていくのは、自然な行動の一つに過ぎないでしょう。

 主人公が幸村くんについて「合理的」と評した神さまに対する考え方は、宗教の基本的な効能そのものなので、当然の帰結なのですが。
 気にかかるのは主人公はこの後、かつての友人がそうなったことに何を考え、どう感じるのだろうか……ということでした。

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