概要
七代祟らねばならぬ猫、六代目にして末代になりそうな女の世話を焼く!
宮尾伊織の家は先祖が殺した猫『おタマ様』に代々祟られている。誕生日に婚約者から結婚資金を持ち逃げされた伊織は、突然、祟り神・おタマ様が見えるようになった。「アンタが七代目を産めずに末代になっちまったら、アタシが困るんだよ!」――なんとしても七代祟りたいおタマ様と男運のない伊織の共同生活が始まる!
※猫と女性が暴力を振るわれる描写があります。ご注意ください。
※第三回偽物川小説大賞参加作品です。
※猫と女性が暴力を振るわれる描写があります。ご注意ください。
※第三回偽物川小説大賞参加作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!温かい作品に、「ごちそうさまでした」。
ドロドロと重すぎず、爽やかな男女の恋愛を書かれるのが得意な(※人食い調べ)佐倉島さんの作品です。なんというか、結ばれるべくして結ばれる二人というか、温かい気持ちで見守りたくなる男女が描かれるんですよね。
化け猫といえば七代祟る、だが六代目の主人公が末代になりそうなので、化け猫のおタマさまが主人公の恋愛を後押しする……とコンセプトが最高の作品。
ちょっと妖怪などに詳しければ広く知られているだろう化け猫伝説を、このようにコミカルにアレンジするのは座布団一枚!
そして、「本来なら憎々しい関係のはずの祟るものと祟られるものが、なんだかんだ仲良くなる」過程についても、本作はなあなあでは済ませ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!優しすぎるほど優しくても、やっぱり温かい
ファンタジー作品。といっても現代の日本が舞台で、かなり地に足がついた現実寄りの世界観なのですが、主人公の女性の一族に代々祟りをなす猫神がいて、それがある日忽然と彼女の前に姿を現して……という感じの導入になっています。
先に一言で総括すると、人間の心の機微の深いところに手を触れるような、とても優しい物語でした。猫神様のキャラクター性がとてもよかったです。わずか二万字の物語でここまで二者の関係性や心の絆といったようなものを描き切るのはなまなかのことではありません。
いや、ほんといいですよね。結婚詐欺とか出ては来るけど、暴力とかも出ては来るんだけど、それでもなんていうかこの、優しい世界と…続きを読む