美しいまでの残酷さ

 神の花嫁と呼ばれる盲目のヒロインと、希望のない逃避行をして、そして失敗する話ですね。作品世界に通底して流れるひやりとした世界観がとても私好みです。そして、救いの欠片もない、そしてそれ故にいかにもこの作者様らしい落ちの落とし方。そして、これがこうなるこれで、タイトルをシンプルに『靴』と置くその透徹したテクニック。良いです。故にタイトルで『美しいまでの残酷さ』と申し上げた次第です。

 ちなみに、主人公の性別は作者様公式で「不明」だそうです。なかなか想像力を刺激させられますね。