概要
戦乱の七王国時代が終わり、騎士は紋章を賭けて戦う『紋章試合』のためだけの存在となっていた。
騎士見習いの少年ウィリアムは幼馴染で主君でもあるアリエノールを護るため、まだ見習いの身で紋章試合を戦っていた。
ウィリアムは全戦全勝、一度の敗北もない。しかし、いつまで経っても騎士としての『誇り《モットー》』を見出せずにいた。
そんな折、ウィリアムのために頼んでいた鎧を受け取るために隣の領地へと向かう事なる。
だがそれはアリエノールと強引に婚姻を結び領地を奪うための罠だった。
ウィリアムはアリエノールを護るため、傲慢なほど自信に溢れた紋章官の少女ロジーナとコンビを
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!正しく『騎士道物語』である作品
「紋章」のあるファンタジーを読むことはありふれたことと思いますが、「紋章」を取り扱う作品は少ないように思います。
本作は中世ヨーロッパ(特にイギリス)の世界観にケモミミや翼人、巨人などのファンタジーの要素を織り交ぜつつ、馬上槍試合を中心に据えたド正統派の騎士道物語です。
作中においては、いわゆる「紋章学」に因んだストーリーが展開されていますが、中世にかかる作者の深い造詣とそれをストーリーに織り合わせる技巧には敬服します。
本作では、大紋章に書き加えられる巻物(scroll)に刻まれるモットー(motto)が、重要な要素として作品を彩ります。
モットーは信条、座右の銘などをを意味しま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どっぷりと物語に浸かる小説特有の興奮があるのさ
さて、書店に行けば無数の書籍が並んでいる。
無数。
それこそ、一つの店舗だけでも生涯読むことができる冊数を優に超えているだろう。
既存の小説の中にきっと追い求めている物語はあるのだろうし、人に勧めたくなる傑作との出会いもあるだろう。
それでもなお、未だ書店にはないこの物語を勧める。
作者は今まさに物語を紡いでおり、主人公達の遍歴さながら筆を運んでいるのだと思う。
ワクワクしながら、それでいて祈るような気持ちで。
ここにはどっぷりと物語に浸かる小説特有の興奮がある。
キャラクターにはそれぞれ思惑があり、一筋縄ではいかない人物達が織りなす関係性の網、その広がりが物語を成している。
そして…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで宮崎アニメみたい! 王道ファンタジー好きのための良作
異世界ファンタジーが好きです。
知らない世界を見せてくれるから。
行ったことのない世界に(空想の中で)行けるから。
だから、ネットでも紙媒体でもファンタジーをよく読みます。
でも、最近なんか違うな、というものが増えてきました。
特に流行の(なんだと思います)異世界チートものは、面白さのポイントが王道ファンタジーとは違うような気がします。
あれはあれで面白いんですけど。
ファンタジーが読みたい!という気分で読むのとは違うな、と。
で、この作品。
読んで驚きました。
ページを開くと、いきなり馬上槍試合をしている。おおーっと思いました。中世イギリスの感じがして、ワクワクします。
この作者さ…続きを読む