どっぷりと物語に浸かる小説特有の興奮があるのさ

さて、書店に行けば無数の書籍が並んでいる。
無数。
それこそ、一つの店舗だけでも生涯読むことができる冊数を優に超えているだろう。
既存の小説の中にきっと追い求めている物語はあるのだろうし、人に勧めたくなる傑作との出会いもあるだろう。

それでもなお、未だ書店にはないこの物語を勧める。

作者は今まさに物語を紡いでおり、主人公達の遍歴さながら筆を運んでいるのだと思う。
ワクワクしながら、それでいて祈るような気持ちで。

ここにはどっぷりと物語に浸かる小説特有の興奮がある。

キャラクターにはそれぞれ思惑があり、一筋縄ではいかない人物達が織りなす関係性の網、その広がりが物語を成している。
そして、装具の重さに表れているように身体感覚を通し構築された虚構は、説得力あるリアリティを生むことに成功している。
史実と虚構の繋ぎ目が実に滑らかだ。
「かつての物語」として読み進む内に、幻想が滑り込んでくる手際の妙。
可読性の高い文章は自ずとスピード感を演出し、世界観そのものが読み応え確かな娯楽性に直結している。

…とかなんとか。いや、読んで欲しいのさ。
うわ、これ面白いなって思ったんでね。
是非。ファンサイトとかできそうだもの。
完結まで応援しますぜ。

その他のおすすめレビュー

水銀弐號さんの他のおすすめレビュー2