老騎士ガウェイン

 巨人の子供ロロを巨人の国イェリングのガムレ集落に帰す。

 この決断自体は誰も反対しなかった。

 ガムレ集落とヨークの赤弓騎士団をぶつけて共倒れにしようという巨人ハーラルの野望は明らかであり、その成就は双方にとって多大な犠牲を出すことになるからだ。


 しかし老騎士たちはそれをアリエルの名の下に行うことには反対した。

 確かにヨーク領主であるエイリークは胡散臭い。

 だからといってハーラルと共謀していると断定する証拠はない。

 素直にロロを差し出し、返還は任せるべき、と言うのが老騎士ランスロットの言い分だ。


「ランスロット、貴方の言うことも分かります。ですが、今回のことは私がロロに助けを求められたのです。他人任せには出来ません」

「しかし……」

誇りモットー『我が力の及ぶ限り』に誓って、彼を助けます。そう決めたのです」


 こう言われてしまうとこれ以上の反論は難しい。

 誇りモットーを持つ者が誇りモットーに誓う意味は重い。

 ランスロットは堂々と言い放つアリエルを眩しいモノでも見るように目を眇める。


「我が主の心のままに」


 ピシリと背筋を伸ばし、胸に右手をあて、ふかぶかと頭を下げた。

 コーンウォール式の騎士礼だ。

 老いを感じさせない、よどみない動作は見惚れるほどに優雅だ。

 それでもどこか二人の距離は遠く、冷たく感じる。

 いつもの老翁と孫娘という気安く温かい距離ではなく、騎士と公爵という距離。

 それを目の当たりにしたようでウィルはドキリとした。


「ウィルも、お願いね」


 アリエルはランスロットのときとは打って変わって気安い口調でお願いしてきた。

 ウィルはそんなアリエルの態度にどこかほっとして頷く。


「うん、分かった」

 

 ランスロットはそんな二人を困った顔で見つめる。

 その視線はどこか優しく、哀しげであった。


                    ◇


 ウィルたちロロを馬車の酒樽に入れて、街へ向かうことにした。

 このままロロをイェリングに送るためではなく、その準備をするためだ。

 巨人の国イェリングは海の向こうにあり、また交易船が出ているわけでもない。

 向かうためには何かと準備が必要になる。


 しかし出発しようかというところで赤弓騎士団のシグルズが現れた。


「お出かけでしょうか? ご案内いたします」


 騎士服をかっちりと着込み、きびきびとしたその動作から几帳面なことがうかがえる。

 単純に親切心から案内を申し出ているのか、それとも監視するつもりなのか。

 その鉄面皮からは読み取ることが出来なかった。


「あら、シグルズ様。お暇でしたら私とお話しませんか? ヨークの街のことや赤弓騎士団の勇猛なお話なんかをお聞きしたいわ」


 ウィルたちがどうやって撒こうか考えていると見送りにきていたアリエルが誘う。

 公爵であるアリエルと騎士であるシグルズでは誘いといっても命令に等しいと思われがちだが、実際にはそうではない。

 身分的には大きく隔たりがあるので、シグルズがアリエルに対して無礼を働くことは出来ない。

 しかしシグルズの封建主人はエイリークなので、いくらアリエルの身分が高くても『命令』をすることは出来ないのだ。

 これはエゼルウルフ王などの王族の場合でも一緒だ。


 ウィルを例にしてみると、ウィルとアリエルは直接封建主従関係なのでアリエルはウィルに命令できる。アリエルとエゼルウルフもまた直接封建主従関係なのでエゼルウルフはアリエルに命令できる。

 しかしエゼルウルフとウィルは間接封建主従関係になるので、エゼルウルフはウィルに命令できない。

 あくまでアリエルに命令して、アリエルがウィルに命令しないと言うことをきかせられないのだ。


 つまりいくらアリエルが伯爵であるエイリークより身分が高くても、エイリークを無視してシグルズに命令することは出来ない。

 さらにエイリークの封建主人はノーサンブリア公爵であるため、エイリークに命令することも出来ない。


「いえ、アリエノール様。お誘いは嬉しいのですが……」


 だからこのようにシグルズが拒絶したとしても許される。

 だがそれでは困ってしまう。

 イェリングに渡る準備をしているところを赤弓騎士団に見せるわけにはいかない。

 アリエルは悠然と微笑みながら、シグルズを逃がさない。


「あらでもウィルを案内するぐらいにはお時間あるのでしょ?」

「……それは……ですが……」


 シグルズはあまり表情を変化させないながらも、困ったように眉を下げる。

 やはり親切心だけで案内を申し出ているわけではないようだ。


「ウィルには旅の間で消耗した物の買出しに行ってもらうだけですぐ戻りますわ。そうだ! ロジェもこちらにいらっしゃい、シグルズ様から赤弓杯についてお聞きしたらどうかしら?」

「――そうですね、アリエノール様。私もご一緒させてください」

「い、いえ、そうではなくてですね」


 アリエルはシグルズの言い分をあえて聞かずに勝手に話を進めていく。

 この辺りは身分の高さゆえの押しの強さだ。

 命令は出来ないが、無礼を咎められることはない。

 これを利用して強引に押しまくっている。

 

 逆にシグルズは下手に強く断って、それが無礼にとられた場合には罰することを要求される恐れがあるので、引け腰のやりとりになってしまう。

 そうしてシグルズがまごまごしている間にアリエルはどんどん話を進めていく。


「じゃあ、ウィルと誰かもう一人荷物持ちについていってあげて。あら、サラもついていく? じゃあ三人でお願いね」

「あ、は、はい! 一緒に行きます」

「うむ、儂がついていくかの。ランスロ、お主が残れ、茶会なんぞ退屈してしまうわ」


 サラが慌てて馬車に近寄り、大柄な老騎士がランスロットの胸を軽く叩いて馬車に歩いてくる。ランスロと言うのは愛称だ、老騎士たちはだいたいこう呼ぶ。

 大柄な老騎士ガウェインは他の老騎士たちと比べてひとまわり身体が大きい。

 ロロを捕らえる際に正面で力比べしたのもガウェインだ。

 顔には無数の戦傷があって強面だ。

 しかし笑うと妙に愛嬌のある老人で、ウィルがランスロットの次に懐いている騎士だ。


「まぁガウェインったら! シグルズ様、ご覧の通り出かけるのは三人ですので案内は不要ですわ。紋章官であるロジェもこの場に残りますし、私のお茶会に付き合ってくださいますよね?」


 出かける人数が三人だからといって案内が不要になるという理屈はおかしい。

 さらに紋章官であるロジェが同行しない事は何の理由にもならない。

 これはつまりシグルズの目的がこちらの監視だと断定した上で、大きな事が出来ないように人員を少なくし、さらに紋章試合などを行わないように紋章官を残す、というこちら側の配慮を押し付けた形だ。


 アリエルは「こちらがここまで譲歩したんだから、黙って行かせますよね?」と圧力をかけているのだ。

 そもそもシグルズ側にアリエルの行動を抑制する正統な理由などない。

 それにも関わらず『配慮した』ということにされては、一介の騎士がいつまでも拒絶できるものではない。

 これが命令なら突っぱねることが可能でも、あくまで『お願い』の体裁をとっている以上は断るには相応の理由が必要だ。

 シグルズは助けを求めるように城の執務室の方を見るが、そこには何も見えない。

 ニッコリを笑うアリエルにシグルズはやや青褪めた表情をした。


「……はい、ぜひ参加させていただきます」

 

 シグルズはため息をつかんばかりの表情で頷いた。


                    ◇


 再び訪れたヨークの街は落ち着きを取り戻していた。

 襲撃があったとはいえ水際での撃退で街に被害はなかったからだろう。

 勝利の祝いで馬鹿騒ぎしていたせいか、工事現場にも人がおらず休んでいるようだ。


「ココガ、小人ノ街」

「ヨークっていう街ですよ」


 馬車の荷台では酒樽から半分顔を出したロロが目を輝かせて街並を見ていた。

 その横でサラが律儀にあれこれ教えている。

 同情心から優しくしているのかと思ったら、なんだか得意げな様子だ。


「なんかサラ、嬉しそうだね」

「あ、いや、その、私一人っ子だったから、弟とかに憧れが……」


 お姉ちゃん気分が味わいたいらしい。

 ロロは良くわかっていないようで首を傾げているが、サラが色々教えてくれるのは嬉しいようだ。

 傍目には酒樽に嬉しそうに話しかける危ない少女だが、本人が幸せならいいのだろう。


「ところで小僧、あの巨人を帰すはいいが、どうするんじゃい?」

「ガウェインのじっちゃん聞いてなかったの?」

「ガハハハ、後で聞けば早いと思ってな」

「……聞いてなかったんだね」


 ガウェインは悪びれもせずに巨体を揺らして笑う。

 熊のような身体と威圧感を持つ老人だが、その巨体に御者台に押し込んで操車するなど中々器用な騎士でもある。

 ウィルが幼い頃などは良く木彫りのおもちゃを作ってくれたのだ。


 ロロをイェリングに帰すためにはいくつもの問題がある。

 まず移動手段だ。

 イェリングは海の向こうにある。

 しかしその関係は襲撃する側と受ける側なので、当然国交はなく交易船などの国を行き来する船がない。

 さらに上手くイェリングまでの船を調達できたとしても、上陸してからロロの故郷であるガムレ集落までどうやって送るか、という問題もある。

 誰も敵対国であるイェリングの詳細な地図など持っていないのだ。


 そこでアリエルとロジェが考えた作戦は、巨人奴隷を手に入れて、その奴隷にロロを届けて貰おうというものだ。

 ヨークの街で船を入手して、奴隷商からロロやガムレ集落のことを知っている巨人奴隷を買い、彼らを解放することでロロを送り帰して貰うのだ。


「ほおう、それで、どうやって集落を知る巨人だと見抜くんじゃ?」

「ロロにちょっとだけ教えてもらったんだよ、サラが」


 そう言ってサラに顔を向けると、サラはちょっと恥ずかしそうにしながら、独特の発音をした言葉をつむぎだす。

 なんだか怒っているようにも聞こえる不思議な言葉だ。


「これで、『貴方はガムレ集落のロロを知っていますか?』って意味なんですよ」

「おお、もう巨人の言葉を覚えたのか! さすがはランスロの孫娘じゃな!」

「そ、そんなことないです! 簡単な言い回しだけですよ」


 照れるサラをガウェインは手放しで褒める。

 ガウェインとランスロットは性格が正反対なので衝突することが多いが、互いのことを認め合ってもいるのだ。


「なぁに謙遜することはないわい。実際その台詞、小僧は言えないんじゃろ?」

「……発音が難しいんだよ」

「がははは、やっぱり大したもんじゃないか」


 突然話のダシにされてウィルは口を尖らせる。

 特徴的な発音は舌を巻くようにする必要があり、非常に難しいのだ。

 

 そうこうしている間に街の沿岸部、船大工が軒を連ねる区画に着いた。

 海岸に向かって口を向けた箱のような建物がたくさんある。

 その前には丸太が横向きで転がっており、出来上がった船をこの上に乗せてそのまま海岸まで運ぶのだろう。


 海岸に馬車を乗り入れるわけにはいかないので、見える位置に停車してウィルとガウェインだけで船大工のもとへと向かう。

 近づいてみると骨組みだけの船や、ほとんど完成して帆を張るだけの船などがたくさん置いてあって、なんだか面白い。


 船大工たちは寒空の下でも構わず上半身裸で一心にカンナをかけたり、ノミを打ったりしていた。

 仕事柄荒くれ者が多いのか、騎士であるウィルたちを見ても怯える者は誰もいない。

 むしろ煩わしげに顔をしかめる者もいるぐらいだ。

 

 だが、そんな視線はガウェインにはまるで届いていないようだった。

 ガウェインは近くにいた船大工にその割れ鐘のような大声で聞いた。


「おい、ここに巨人の国まで辿り着ける船はあるか」


 周りにいた船大工たちが一斉に不審そうな顔をする。

 いきなりこんなことを聞かれたら戸惑うのも当たり前だ。

 ガウェインはそんな事に頓着せずに、どうなんだ、と返事をしない船大工に詰め寄る。


「そんな船どうするんだよ」

「なぁに、いま名を上げる遍歴の途中でな。巨人退治でもしてやろうと思っておる!」

「おいおい、爺さん年を考えろよ」


 船大工はまだ若く、向こう見ずなようだ。

 ガウェインが騎士と分かっていても生意気な口を聞く。

 なめられたくないのだろうが、そういう態度はガウェインには逆効果だった。


「ふん、まだまだ若いもんには負けんわい。ほれっ! どうじゃ!」

「うわあぁっ! 分かった! 分かったから降ろしてくれ!」


 むんずと若い船大工を掴むとそのまま一気に頭上に持ち上げてしまう。

 この船大工が特別小さいとか軽いとかいったことはなく、その上半身は鍛え上げられておりたくましい。

 ただガウェインの老いた筋肉の方が未だに強いだけのことだ。


 ガウェインはあっさりと船大工を降ろしてやる。

 周りを見ると、もうウィルたちに侮りの目を向ける者は誰も居なかった。

 かなり注目は集めてしまっていたが。

 ガウェインは注目が集まったのならこれ幸いとばかりに大きな声で再び巨人の国へいける船を捜している、と問いかけた。

 すると一人、古株らしい老人の船大工が近寄ってきた。


「騎士さんよ、ここらの船じゃどれも巨人の国には辿り着けんよ」

「こんなにあるのに?」


 ウィルは思わず周りにある船を見る。

 未完成の船もたくさんあるが、それ以上に完成している船もたくさんある。

 老人は一隻の船を指差す。


「ほれ、見てみなされ。船底が結構な長さあるじゃろ。巨人の国までの海域は遠浅の地形でな、こういう船では底がぶつかってしまうんじゃ」

「じゃあ巨人たちはどうやって来たの?」

「船が全然違うんじゃよ」


 老人が目を向けた方を見ると、そこには巨人たちが乗っていた船が打ち捨てられていた。

 襲撃してきたときのものだろう、未だに縁には矢が刺さっている。

 そして、なかばまで岸に乗り上げている船の底を見ると、船大工たちの作っている船の船底に比べて半分もないずいぶんと平べったい船だった。


「おそらく巨人の国の海は浅瀬が多いんじゃろうな。これならどんな浅瀬でもそのまますいすいと進める。そして上陸するときもそのまま、すいーっじゃ」

「なんじゃ、あるんじゃないか。この船を売ってくれ」

「いや、これは売り物ではないんじゃが……」

「どうせ捨てるんだろ? ちいっとばっかし直して売ってくれればいいんじゃ」

「しかし、これは巨人どもの船だから、動かすのは大変じゃぞ?」

「なぁに、さっきの見ただろう。儂なら問題ないわい」


 そういってガウェインはしぶる老船大工を強引に説得してしまった。

 こうした巨人の襲撃船は、普通の人間には操船が難しいので拿捕してもいつもバラしてしまうらしい。

 船大工たちはガウェインの迫力に負けたのか、渋々といった感じで了解してくれた。


                    ◇


 次に訪れたのは奴隷商の店だ。

 店にはブリトニアの外から連れてこられた様々な人種の人々が並んでいる。

 この街の大多数であるアンゲル人や、ブリトニア王と同じサクソン人の奴隷は少ない。

 肌の浅黒いバルバロイ族や、特徴的な瞳の色をしたブライ族などが居た。


 彼らの首には木札が提げられており、そこに出身地やその奴隷の特徴が書かれている。

 男の奴隷は上半身裸に腰巻だけ、女の奴隷は一枚の布を頭からかぶって腰の辺りに紐で結んだだけ、という服ともいえないものを着ていた。

 中にはまだ幼い子供も居て、サラは思わず目を伏せた。


 ウィルとしてはこのような場所にサラを連れてきたくはなかったのだが、サラしか巨人の言葉を話せないので仕方がない。

 サラも奴隷を見ること自体は初めてではない。

 教会でも農奴などの奴隷を使っているのだ。


 ウィルたちは逃げるように店の奥へと進み、巨人奴隷を捜した。

 しばらく捜すと店の一番奥に大きな檻があり、そこにうずくまるブリガンテス族、つまり巨人が一人居た。

 ウィルの倍はあろうかという巨体をかがめて窮屈そうに檻の中で座っている。

 

 ロロと似たような癖のある赤毛で、頬はこけて肋骨も浮き上がっている。

 それにも関わらず目だけはギラギラと輝き、今もウィルたちを睨みつけていた。

 ガウェインが奴隷商に巨人はここにいるだけか、と聞くと商人は首を振った。


「いま売れる巨人はいないよ」

「ここにいるじゃないか」

「コイツはまだ絶食させて一ヶ月も経ってないから売れないんだよ」

 

 奴隷商の説明によると、巨人は反抗心が強く死を恐れないので教育が出来ないらしい。

 そこで死ぬギリギリまで絶食させて力を落としてから売っているらしい。

 街に来た時に見た巨人奴隷が生気がなかったのはそういうわけだったのだ。


「そんな……酷い……」


 サラはそれを聞いて哀しそうな顔を浮かべる。

 ウィルはサラを宥めながら奴隷商からサラを隠して巨人の檻に近づいた。

 ガウェインが奴隷商の相手をしている隙に、サラに巨人の言葉ノルド語を話してもらう。


「――っ!」


 その効果は絶大だった。

 檻の中にいた巨人はサラが話したノルド語に反応して、目を大きく見開いた。

 しかしその瞳に警戒の色をにじませて、それ以上の反応を返してくれない。

 だからこそ、ウィルは巨人がロロを知っていると、いやガムレ集落の巨人だと確信した。


 ただ単にガムレ集落やロロを見知っているだけなら、ここまで警戒はしないはずだ。

 ロロを知っていて、それが首長の息子という立場だと知っているからこそ、大事だと思っているからこそ慎重になっている。そう感じた。

 ウィルはこちらの判定を待っていたガウェインに大きく頷いた。

 この巨人を確保すればきっとロロを送り届けてくれるだろう。


「「おい主人、この巨人奴隷を売ってくれ。気に入った」

「だから旦那、そいつはまだ……」

「儂なら暴れても止められるから問題ないわい」

「いやいや、何言ってんだ。あんたみたいな老人がそんな事できるわけ……」

「ならば、儂が巨人に負けないと証明できれば売るんだな?」

「そんな事できっこない!」

「では出来たらこの巨人、半額で売ってもらうぞ。もし証明できなかったらこの巨人の値段分だけ金を置いていってやる」


 そういってガウェインは金貨の入った袋をどん、と置いた。

 奴隷商は無茶なことを言い出すガウェインを警戒心もあらわに見ていたが、それでも巨人に勝てるわけがない、と確信したのか了承した。


「よし、小僧、酒樽もってこい! 腕相撲で勝負だ、巨人!」


 ガウェインがそう叫ぶのを聞いて、ウィルは思わず舌を巻いた。

 こういうところは勇名を馳せた円卓騎士団の一員である。

 ウィルは感心しつつ『ロロが入った酒樽』を馬車から運んできた。

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