話としては伝記的な本当の歴史を読んでいるような感覚になりました。
まず最初に聞いてほしい。
文体や世界観などweb小説の中では重たいです。
読みやすさやわかりやすい展開などはありません。
それでも読んで下さい。
途中情報量に耐えられない人もいるかもしれない。
それでも読んでほしい。
考えられた世界観。
今と未来、今と過去。
自視点と他視点。
客観と主観。
本当によく考えられていると思う。
書くの大変だったと思う。
本当によく考えられている小説だと思います。
是非いろんな人に様々感じて、深く考えて、色々な角度で楽しんで読んで欲しいと思いました。
他の人がどう感じるかが気になるほどいい作品でした。
王政から共和政への過渡期の世界の物語。
前半は、現代日本から欧州風の異世界へ転生し王になった男が、苦悩しながら国を動かす様が描かれる。
後半は、後世の研究者が、王の時代から共和国成立までを振り返った歴史論評の形で記される。
王の生き様は、凄まじいの一言に尽きる。自身を無能と言いながら、実態は非凡そのもの。本人を知る者には慕われ、あるいは恐れられながらも、本人の差配の果てに、後の歴史から一旦はほぼ完全に消える。
そして、後世の発見で再評価される。前半を見た後での研究者視点もまた面白い。
壮大な歴史物として描かれるだけに、全体的に重いけれど、凄まじいまでの感動がある。
手頃な読み切り作品を探して本作に辿り着いたけれど、大当たりと思える大作でした。
社会人になって日時が経つほど「あぁ、私の感性も衰えた。涙なんてもう出ないよ」と感じることはないでしょうか。
私は感じていました。
過去形になってしまうのは、この物語を徹夜で読破し泣いたからです。
社会人が何やってんだいと思われるかもしれませんが、この物語にはそういう魔力があります。
この物語は歴史ものを扱うのに異常に取捨選択が上手く、その癖、異常に丁寧に書いています。
ルイ14世(のものとされている言葉)は「朕は国家なり」と絶対王政を評したそうですが、この物語は「王権の解体」と「人間の解放」を軸に描かれているように思われました。
その為、主人公を通して王権(人に非ざるもの)と人の間で揺れ動く様、苦悩する様があまりに克明であり、それが魔力となって読者を離さない。
嗚呼、偉大なこと、偉大な王……
私は長い間、あなたを忘れない。