概要
捜査一課のエースである地井玲香は、ある事件を追っている最中に、一代で財を成した父の死を知らされた。
あまりにも巨額な不動産相続となるが、警視庁は兼業を認めていない。そこで父の顧問弁護士だった神村から、父の後を継いで不動産業をこなしながら捜査の最前線で働けるよう持ちかけられた。
父の葬儀が終わると、遺産である都内の一等地に建つ複数のビルとその一棟に据え付けられた世界初の量産試験型量子コンピュータを相続し、先に手掛けていた殺人事件に復帰する。
その間、神村は超大物との交渉を行っていた。
捜査は難航するかに思えたが、量子コンピュータのオペレーターとして雇った金森蓮夜によって証拠を次々と獲得し、真犯人を突き止める。
量子コンピュータ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!安楽椅子(コンピュータ)探偵? いえ、これは血の通った人によるミステリ
第37話まで、読んでのレビューコメントです。
本当は、全部、読み込んでからが良いかなと思っていたのですが、まだ全貌が解明されていない現段階で書いておきたいと思い、勢いに任せて書くことにしました。
ミステリーではなく、
良き時代のミステリ。
人情やヒューマンドラマも大事な要素だと思いますが、それ以上にロジカルであること。トリックを見破る探偵がいること。
ここを徹底的に突き詰めた作品のように思います。
そして量子コンピューター以上に、推理の鬼とも言うべき、地井玲子さん。量子コンピューターを操るハッカーを相棒に。警察本部とともに、謎を明かし、追い詰めていく様は流石。最初、想定していたよりも、ど…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本格推理小説~近未来の警察の捜査はこう変わるのだという予言的な作品だ!
この作品は読むべきだ。
一度読み始めたら、おそらくページをめくる手が止まることはない。最後まで読まずにはいられないだろう。
1つの事件を解決まで追っているということもあるが、理由はそれだけではない。
「量子コンピュータ」が珍しいから?
それは違う。
もちろん違うわけではないが、「量子コンピュータ」が本作のすべてではない。
キーワードとして目立つのは確かだが、あくまでツールであり、それだけでは作品として成り立たない。
この作品のすばらしさの1つとして、地井玲香という主人公がとても魅力的であることがあげられる。
玲香が推理し、捜査をする。
それこそが本作の柱であり、最大の魅力なのだと思う。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!量子コンピュータが実用化されたら、迷宮入り事件も鮮やかに解決!?
密室殺人を追う女性刑事を主人公にしたミステリーですが、今までの警察物とは一味違います。
それは世界初・量子コンピュータが捜査に使われること!
量子コンピュータが警察の捜査にどう活用されるのか、具体的に描かれていて未来の社会を覗き見ることができます。
普通のミステリーと違って、刑事が足を使って目撃情報を探す場面などがショートカットされるので、ものすごくスピーディー!
でも荒唐無稽なSFという印象は一切ありません。
ほんの少し先の未来という感じで、落ち着いた推理小説のトーンで描かれるので安心して読み進められます。
20年後には当たり前になっている我々の社会の姿なんじゃないかとさえ思えます。
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