本格推理小説~近未来の警察の捜査はこう変わるのだという予言的な作品だ!

この作品は読むべきだ。
一度読み始めたら、おそらくページをめくる手が止まることはない。最後まで読まずにはいられないだろう。
1つの事件を解決まで追っているということもあるが、理由はそれだけではない。

「量子コンピュータ」が珍しいから?

それは違う。
もちろん違うわけではないが、「量子コンピュータ」が本作のすべてではない。
キーワードとして目立つのは確かだが、あくまでツールであり、それだけでは作品として成り立たない。

この作品のすばらしさの1つとして、地井玲香という主人公がとても魅力的であることがあげられる。
玲香が推理し、捜査をする。
それこそが本作の柱であり、最大の魅力なのだと思う。

これまでの警察キャリアを活かし、淡々と捜査・推理を進めていく。
時には感情を交えながら、被害者に感情移入する。
そしてあらゆる可能性を検討していく。

そこに「量子コンピュータ」という近未来のツールが加わることで、ワクワク感グッと増す。
なるほど、未来の警察の捜査はこう変わるのか。
そう思わせるほどのリアルさ。
それが本作を読むべき最大の理由なのだ。

ぜひたくさんの人に読んでほしい。

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