概要
(1500字程度のあらすじを最後に追加しています)
*カフカとはチェコ語でニシコクマルガラスの意味です。
*ポリアモリー(当事者全員の合意の上で複数人のパートナーと親密な関係をむすぶこと)に関する物語です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!愛のカタチは人それぞれ。作り出す色も匂いも人それぞれ
ポリアモリーってご存じでしょうか。
ざっくり言ってしまえば、複数の人間と親密な関係を持つ恋愛形体で、もちろん関係者全員の合意が必要なもの、です。
叶姉妹の、ファビュラスなお姉さまがこの恋愛を実践されている、となんか記事で読んだ気がします。
こちらの作品の中心に据えられているのは、そのポリアモリー。
主人公は大学生の女性、コンパルさん。
彼女が、香りに惹かれて交際することになるのがヤマシロさんです。
このヤマシロさんがポリアモリーでして、コンパルさんは、彼と彼の恋人たちと出会い、心を通わせていくのですが……。
秀逸だなと思うのが、作者さまがつけられた、作品のキャッチコピーなんですよ。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!それは幾重もの積み重ね。香りも、音楽の和音も、複数の恋人との関係も。
喫茶店の心地好い香りに誘われて踏み入れる世界は、細いものが幾重にも積み重なった繊細な世界。
香り。音楽の和音。異なるこれらの共通点は、複数の存在を重ねて深い味わいを作ること。読み解くには相応の技術が、技術を得るには相応の時間が必要です。それらを描くため本作は足かけ26年に及ぶ物語です。
そして恋人との関係は香りと音楽の和音に似ていて。「ポリアモリー」、それは名前も存在も広く知られていない、愛し合う関係。初めてそれに触れる人は幻惑を覚えます。
極めて繊細な世界が、バランスを崩す危惧と隣り合わせに時を重ねていきます。単純ではありません。それぞれに人が生きていくとは、単純ではありません。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!比翼の鳥は二羽でないと飛べないというけれど、私たちは人間だから
別に飛ばなくても暖かい巣があればよいのでは? と思えてしまう、素晴らしい関係が描かれた人間ドラマ作品です。
茶房カフカのある場所が素晴らしいです。海の近くの工場街のはずれにあるんですよ! そこまで行く情景の表現が何とも言い難く好きで、そこは二話目なのですけど、一気に引き込まれました。
カフカはチェコ語で西黒丸ガラスというユーラシア大陸西側に住んでいるカラスなので、日本にはいないようですね。目つきが鋭いのですけど、ちょっとずんぐりしていて、可愛らしい見た目に見えました。
ポリアモリーについて、私はあまりそれは気にならなかったです。とにかく登場人物の心の機微がきらめく文才で繊細に描かれて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!硝子細工の関係
匂いに敏感な「コンパル」。その敏感な嗅覚に自らが翻弄され、辿り着いた先は茶房カフカ。その店のマスターであるヤマシロが紅茶とともに纏う香りに強く心惹かれる。
告白した彼は、複数の恋人との関係を持つポリアモリストだった。
土曜日の恋人であるコンパル、金曜日の恋人であるヨシアキ。水曜日の恋人であるトキワ。
彼女と彼らは、性別問わず人を惹きつける魅力を持つヤマシロを中心に、それぞれの感情を抱きながら関わり合っていく。
その関係は硝子細工にも似て、壊れてしまわぬように描かれた丁寧な人間模様である。複雑な心の在り方を描く作者の力量が遺憾なく発揮されている。
紅茶の香りとともに、是非堪能してほしい。 - ★★★ Excellent!!!深い森の中の、鳥の営巣。
とても奥深い、そしてセンスのある素敵な
物語である事を、初めに記しておく。
金春、青磁、蘇芳、常盤、檜皮、山吹…
和の色彩の様な登場人物の名前に、茶房が
舞台である故の、黒スグリやカモミール、
シナモンや胡椒などのスパイスを効かせた
お茶や食べ物。そして森深い異国チェコの
文化をふんだんに散りばめた、見た目にも
美しく魅力的な物語だが…。
この作品の中心には、ポリアモリーという
聞き慣れない考え方が、一つの杭の様に
深く存在している。
一つの恋愛に囚われないという考え方は
我々の今までの 普通 を根底から覆して
混乱と困惑の渦に巻き込むだろう。
だがそれは、誰かと向き合う事への戸惑い…続きを読む