概要
(1500字程度のあらすじを最後に追加します)
*カフカとはチェコ語でニシコクマルガラスの意味です。
*第8回富士見ノベル大賞に応募予定です。
*大人向けのキャラクター小説です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!恋人の恋人は成立するのだろうか?
私たちの心と頭に『ポリアモリー』という性別を超えた特別な関係について投げかけてくる、とても興味深いテーマのひとつを取り上げた希少な小説です。
恋人として一緒に過ごす曜日を限定する――付き合い始めの大切な約束を結ぶところから始まります。
しかし、物語が進むにつれ、お互いに働きかける思慮や独占欲……訪れる出会いと別れとが複雑に作用し合い、読者を飽きさせない工夫が素晴らしいです。
異なる心の在り方の中で芽吹いていく恋と愛。様々な想いと行動とが複雑に絡み合い、ほつれ、結び付きを強くしていくように縒り合っていく。この駆け引きがなんとも言えない魅力に映ることでしょう。
特筆したいのはポリアモリー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!独占と寛容のせめぎ合い
ポリアモリーの輪に含まれる四人の人物。
彼らはそれぞれ、未知の関係性に手探りで挑む者、許容の先に新たな連帯を持とうとする者、拒否する者、と抱える状況が異なり、様々な愛情のアプローチとして重層的に展開されます。
また、彼らを取り巻く人々には、奪われる事とその憎しみや、理解を抱く者の姿もあります。
我々の多くは、恋愛の当事者と傍観者の両側面を持ち合わせる機会があると思います。
この作品は、当事者である場合は、関係を保つために相手を尊重する距離感を、傍観者である場合は、余所事には批判も指摘もアドバイスも基本的にはいらないものだ、と教えてくれます。
愛情の形を考えさせられるお話です。ご一読くだ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!特別な人同士であるための必要十分条件は、常にシンプル。
当作品の大切な要素であるポリアモリー。関係者全員の同意のもとに複数のパートナーと恋愛関係を持つことに対して、あなたはどう思うだろうか? 複雑?混乱?ひょっとすると不道徳?
しかし考えて欲しい、他人ではない特別な人同士であるためには何が必要だろう? 独占や束縛、あるいは曖昧模糊に過ぎる社会的規範や法律などではないことは明らかだ。きっとそこに必要なものは「信じること」と「尊重すること」の二つだけで、それらがお互いに必要十分条件として機能していればそれで成立するのではないだろうか。
そう考えた時に、本作品の作者が提示するポリアモリーという生き方は、三人の恋人の間で多少の解釈の違い・領域のずれはあっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恋人たちの語りを通して
自分は、ポリアモリーという言葉を、「茶房カフカ」を通して初めて知りました。
ググってみると「複数のパートナーと合意の上で恋愛関係を築くスタイル」という説明がありました。
この作品では、ヤマシロさんを中心に、コンパル、ヨシアキ、トキワがそれぞれヤマシロさんと恋人関係を結んでいるという形で、このテーマが描かれています。
物語は、コンパル、ヨシアキ、トキワ、それぞれの視点で展開されていきます。
ヤマシロさん自身がその内面を語ることはないため、恋人たちの語りを通して、彼がどんな人となりかを読者は知ります。
自分が連想したのは、木彫り?です。
三人がそれぞれのみを手に取り、木を彫り、形を整え、ヤ…続きを読む