独占と寛容のせめぎ合い

ポリアモリーの輪に含まれる四人の人物。

彼らはそれぞれ、未知の関係性に手探りで挑む者、許容の先に新たな連帯を持とうとする者、拒否する者、と抱える状況が異なり、様々な愛情のアプローチとして重層的に展開されます。
また、彼らを取り巻く人々には、奪われる事とその憎しみや、理解を抱く者の姿もあります。

我々の多くは、恋愛の当事者と傍観者の両側面を持ち合わせる機会があると思います。
この作品は、当事者である場合は、関係を保つために相手を尊重する距離感を、傍観者である場合は、余所事には批判も指摘もアドバイスも基本的にはいらないものだ、と教えてくれます。

愛情の形を考えさせられるお話です。ご一読ください。

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