第12話 今回はいじめられる側からいじめる側になってみた(笑)
ガチャ。
「はーやと」
「ん?」
今日は月曜日。
「あれ、どうしたんだよ。まだ昼前だぞ?」
「え?今日は学校の振り替え休日で学校が休みって言わなかったっけ?」
「」
そういや言ってたな……。
「ん?でも制服じゃん」
「あ、これはナンパ対策。この時間帯での私服だったら絡まれることがあるからさ」
「」
ナンパか……。
「それより!!……昼頃だしさ…なんか食べたくない?」
「別に」
「そこは乗っかってよ」
「じゃあ、食べたい」
「でしょでしょ!!」
やっぱ子供っぽいよな柚葉は……、
「そーれでさー?」
ガサゴソ…、
柚葉は鞄の中を漁る……。
「これ!!」
それは瓶の中に入った黄色い何かだった。
「何これ」
「蜂蜜!!!」
…………あ、やべ、蜂蜜で何故か柚葉がローション塗れになっている想像をしてしまった。
『隼人ーー!見てーー!ベタベター♡』
「」
ビクンッ!!!
「柚葉」
「ん?」
「俺、ちょっとトイレをずっと我慢してたから行ってきていい?」
「あ、いいよー」
と言うことで俺は手洗い場に向かった。
まぁ、言わなくても分かるよね……、
ただ、シコりに行っただけなんで。
そして……、
「ごめんお待たせー」
俺は戻った。
「はーーい」
柚葉はスマホをいじっていた。
「あ、じゃあ大丈夫?」
「何が?」
「蜂蜜の説明しても」
「いや、それくらい知ってるよ。甘いやつでしょ?」
「何で蜂蜜の存在自体の説明をするって思ったのよ……そんなの当たり前でしょ!!私がしようとしたのは何故、蜂蜜を持ってきたかってこと!!!」
「あー、そっちね」
「それしかないでしょ。常識的に考えてさ……」
柚葉に常識を語られるとは……。
「ともかく、この蜂蜜はどこから作られてきたでしょうか!!」
柚葉が問題を出す。
「蜂から」
「そんなの当たり前でしょ?蜂が作るから蜂蜜なんだから…」
「あーそうか」
「じゃあ、質問変える。この蜂蜜はどこで作られてきたでしょうか!!!」
「外で」
「……………ねぇ、私をバカにしてる?」
やべ、ちょっとふざけ過ぎたわ……柚葉が少しキレてる…、面白いけど(笑)。
「やっぱバカにしてるよねその顔」
プク顔でジト目をぶつける柚葉……。
「あー、バレたか。まぁ、いいじゃんそんなことはさ」
「良くない!!折角楽しかった思い出を説明しようとしてるのにさ!!!」
柚葉は拗ねる。
「ごめんごめん…」
まぁ、"楽しかった思い出"とか言う時点で大体は想像つくんだけどさ………。
「それじゃあ最後の質問!!この蜂蜜はいつ作られたでしょうか!!」
「昨日?」
「」
ん?
「……………もういいや」
ん?
「そこは"えーー?いつだろーー?分からなーーい"とか言うでしょ!!!」
「」
あ、やっぱ柚葉は考えが幼いわ……。そんな保育園児にやるような反応する訳ないだろ!!!流石に子供っぽい……いや、柚葉は16歳児の子供なんだけどさ……、それでもそんなことするのはちょっと気が引けるわ……。
「ともかく、この蜂蜜は私が直接"取ってきた"んだよ」
「え、"盗ってきた"の?」
「ん?これ以上ボケようとしてるんだったら私はもう帰るよ?」
「ごめんごめん(笑)。柚葉が可愛いからさ……つい、いじりたくなっちゃうんだよね。でもいつも俺で遊んでるんだから偶にはこっちが遊んでもいいでしょ?」
「………もう………分かった。それじゃあ後で好きなだけいじっていいから今は説明を聞いてよ」
「はーーーい」
そして、柚葉が説明に入る。
「この蜂蜜は前に、私が仕事で養蜂場に訪れた時に養蜂体験をして、その時に取ってきたやつなんだ」
「あ、そうなんだ。怖くなかった?」
「正直、めちゃめちゃ怖かったよー。防護服着てても蜂さんがブンブン周りを飛んでて、しかも蜂さんがいる巣箱に腕ん差し込むんだから生きたここちがしなかったよ」
「柚葉がそこまで言うなんて……ミミズとか危険じゃない虫は普通に直で触れるのにね」
「は、蜂さんは別だよ!!!えーと……あ、あ、アポイント?」
「アナフィラキシーショック?」
「そうそうそれそれ!!あれ怖いよねー……何回か刺されたら終わりだもんね」
「……まぁ、大丈夫だったんでしょ?」
「まぁねー」
「でもそっか、どうだった?体験は」
「本当に面白かったんだよ!!!」
そう、柚葉は俺が質問すると顔を輝かせて喋り出した。
本当に可愛いな……。
仕草が初めて何かをした幼い子みたいな感じだな……。
そうして……、
柚葉は一通り話し終えた。
「あー、だから次は違う体験もしてみたいんだよねー」
「例えば?」
「自然で昆虫と関わったんだから海でお魚さんと戯れたいなーー」
「なるほど……」
「シュノーケリングやシーウォーカーとかまたやりたいなー」
「あ、やったことあるんだ」
「そうそう!!とても楽しかった!!!」
「」
柚葉って意外といろんなことしてるんだな………。
俺も何か柚葉がしたことない体験をしてそれを楽しそうに喋れたらな……。
「……………あー!!!もう、13時過ぎちゃった!!」
「あー、いつの間に」
「それじゃあ隼人!!なんか食べたくない?」
「そうだね。食べたいな」
そう言うと同時に柚葉の目がキランと光る。
「それじゃあ……この蜂蜜を使って何か食べよう!!!」
「おーー、いいねー(棒読み)」
「何か食べたいのない!!?」
「」
ジーーーーと柚葉は俺の顔を見つめる。
「んーー、じゃあホットケーキ食べたいかな」
「いいね!!!私も食べたい!!!」
そうして、柚葉が作った蜂蜜をかけるためのホットケーキを作る事にした。
ジューーーー!!!
そして、
今は卵や牛乳、小麦粉、ホットケーキの粉を混ぜ、バターを溶かしたフライパンにそれを円状にぶち込み、今は焼いてる最中だ。
「こうやって隼人と料理するのいつ振りかな……」
「え………んー、小学生の時に家庭科の宿題で"料理を作ってきなさい"みたいな時に一緒に作んなかったっけ?」
「あー、懐かしいな……あ、中学の家庭科の授業の時も一緒に料理作ったじゃん!!」
「ははっ、懐かし」
「……………でも、こうやってどっちかの家で料理を作るなんてことはしたこと……あ、いやいや、小学校の時にしたことあるんだ」
「おー、突っ込もうとしたのにナイス自分フォロー」
「ふふっ」
俺達はそんな話をしながらホットケーキを作っていた………、
まぁでもさ、新婚さんもやっぱ最初の間はよく一緒に料理とかすんのかな………ん?
待てよ……、料理中に後ろから手をまわして2人でフライパンを持つみたいなのもやってたよな……?(※ドラマで見たシーンで語彙力がちょっとないので説明がうまくできません)
俺は柚葉の方を見る。
「美味しそ〜♡」
新婚か…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます