第2話 モデル女子高生の"初めて"は俺で…



 コンコン


 ガチャ


 「隼人ー」

 「ノックしながら開けるな」

 「今日は話の種を持ってきたよー」




 俺は小柳隼人こやなぎはやと。現在不登校の高校2年生だ。

 そして、この俺の寝室をノックした人物…それは、超美人なモデル女子高生2年の幼馴染、大柳柚葉おおやなぎゆずはだ。

 彼女は俺が不登校になってそれを知ってから仕事や用事がない時間がある日は俺の家に入り浸るようになった。



 「で、話の種とは?」

 「隼人は宇宙人を信じる?」

 「」



 でな感じで柚葉は見た目とは裏腹に話す話題がいつも小学生並なんだ。

 つまりはくだらな過ぎて時間の無駄だと偶に思うような話題を持ってくる。



 「さぁね。信じたら幻想は見えるんじゃない?」

 「そんな幻想で片付けないでよ!いるかもしれないでしょ?」

 「と言うかそれがどうしたの?なんか夢でも見たの?」

 「ん、いや。お父さんが言ってたの。"未知の体験はするに限る"って」

 「……………それでそれのどこが未知の体験と繋がるの?」



 「つまりはさ、気になって恥ずかしくて誰にもいえない経験だったから勇気出して言ってみようって!!」

 


 「」





 え?つまりは俺に初めて言ったってこと?




 

 「だから他にも聞きたいことが沢山あるんだよね!」

 「…………」



 柚葉は"初めて"を俺で体験してるということか?

 


 「隼人?」

 「あ、いや……ごめん……何?」

 


 ヤバいな……変な妄想しちゃったよ…

 "柚葉は俺で未知の体験を経験している"…

 そう言えば……昔からそうだったな…





 幼稚園の頃…


 「ハヤトー!自転車乗ろう!!」


 自転車を乗る練習を俺とした。



 小学生低学年の頃…


 「ハヤトー!ひまわりの絵を描きに行こー!!」


 夏休みの宿題で向日葵ひまわりの絵のコンクールという絵を描く初めての宿題で誘われた。



 小学生高学年の頃…


 「ハヤトー。私の家で映画見よ?」


 2人で映画を観て、初めての自転車の2ケツを経験した。

 まぁ、その後親にめちゃめちゃ怒られたけど。




 中学生の頃…


 「ハヤト。水風船で遊ぼ?」


 何やかんやでやったことないことではあった。だから誘われて投げまくってびしょ濡れになった……



 つーか、なんか中学で水風船ってなんか青春だな……




 と、ともかくだ。

 柚葉は俺でいつも初めてを体験……いや、語弊があるな。


 俺"と"初めてを経験してくれているんだ。




 「初めて……か」

 


 俺は呟いた。



 「そう!初めてだよ?」

 「で?他に聞きたいことは?」



 俺はふと質問した。



 「んーー……んーーー………どうしようかな……」

 「」



 あれ……何に悩んでんだ?



 「あ、別に一緒にイヤらしいことをしようとかってことで悩んでるんじゃないからね//////!!!!?」

 「いや、いきなりそんなこと言われたら俺も困惑だわ」



 整った顔立ちを赤面させてパニくる柚葉……

 可愛いな………




 ん?




 

 いやそんな呑気なこと言ってられねーじゃねーか////!!!!

 普通に俺も妄想しちゃってるんだけど!!!!?

 落ち着け落ち着け落ち着け……俺の頭から出ていけ…出ていけ……出ていけ……出て…



 『隼人………出ちゃう////?』




 「」





 終わった。

 もう取り憑かれていたわ。

 俺の性への煩悩が"俺の息子"に忠実過ぎて思い切り…



 勃ってしまっていた。

 


 「柚葉」

 「ん?」

 「少し……



 お手洗いで"済まして"きます」



 「分かったー。それじゃあ私も何を話すか考えておくから」

 「分かった…」


 最低だ…俺。

 しかも…


 "お手洗いで済ましてきます"は思い切りミスった。


 そして俺はトイレに向かって思う存分…出来るだけ早くイクようにした。



 

 そして…




 「只今戻りました」

 「おかえりー」


 俺は無事に出し切って帰還した。ナイトモード(※俺で言う賢者タイム)に入っているからしばらくはムラつきは出ないだろうと思います。


 「それで話す内容はまとまったかな?ははっ」


 俺は爽やかな笑顔で笑ってみた。

 ちょっとキモイな。


 「ん。まとまったよー」


 柚葉はスマホをいじりながらそう答える。


 「んじゃ結論から言うね」


 柚葉は椅子に座った俺の目を見る。






 「隼人はさ……学校を…」

 「」

 



 「学校をこれからどうしたいって考えているの?」



 

 「」



 いきなり触れたくない話題を触れてきたな……



 「どうしたいって言うのは?」

 「行きたいか行きたくないかってことかな……」

 「………行けるようにはなりたいかな……」

 「そっか……だよね……」



 しばらく沈黙になった。

 そういえばここ2ヶ月の間は高校の事自体全く触れて来なかったよな……。

 何で聞いてきたんだろ………






 てのは分かってるんだよ。






 柚葉はいつもそうだ……。

 優しすぎるんだよ。

 俺の前ではこんなしょうもないことだったりなんだりして笑ってくれてるけど本当は死ぬほど忙しいんだよな……。

 常にモデルってのは自分の自己管理能力…スキンケアや体型維持、そしてドラマや映画の撮影……。そして、自分へのアンチコメントなんか見たり……俺じゃ、考えつかないくらい大変なんだ……それに勉強や日頃の生活がプラス。きっと今もこうやって笑っているけど頭の中じゃ押しつぶされそうなほど…泣きそうなほど…切迫詰まってるんだろうな……



 その上でなんだよ……。



 俺のことを心配してくれてるのは。

 自分より他人……。



 そんな気遣いができる柚葉に俺は………、





 「柚葉には関係ないことだろ」





 不貞腐れた態度を取ってしまった…。





 「そうだよね……ごめん。聞いちゃって」

 「」



 やめろ…謝らないでくれよ…。



 「隼人も大変だもんね」



 やめてくれ…!!



 「でもさ……」

 「」





 「やっぱ私は心の底から笑う小柳隼人がみたいってのがあるからさ……私も出来ることするから!」




 そう言い切った。




 「」

 「これが"私の挑戦したいこと"の第一歩ね……よし」

 



 あ………今のも未知の経験って訳ね…




 「私は未知の経験をこれからもしていくからよろしくね!」

 「何その宣言」

 「挑戦だから……宣言はするでしょ?」クス

 「……………」




 そうっすか……。




 「ぷふっ」

 「あ、笑ってくれたね」

 「そら、笑うっしょ」

 「何で何でーー?」

 「だって……







 柚葉が可愛いんだもん」






 「」

 「………あ」



 しまった。口滑った…でも、下ネタじゃないからセー…




 「////////」




 フじゃないっぽいわこれ…(笑)。




 その後俺は柚葉が借りてきたラブロマンス映画を観ていた。

 


 しかし、その映画にセックスシーンがあって思わず消してしまい…その日は急いで別れた。



 なんか疲れるな…

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不登校な俺を支えてくる幼馴染のJKは俺が大好きな変態さん♡ アレクサンドル @ovaore

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