第25話 モデルの幼馴染の水着で"想像する"俺は末期だな。
「隼人」
「ん?」
「明日さ……暇?」
「え………暇だけど」
今日は金曜日で柚葉も仕事がなくいつもよりダラダラしていた。俺の家で。
「………暇かーー」
「え?何で?」
「明日さ……ちょっと遊びに行かない?」
「…………外出ってこと?」
「そっ♡」
そう言って"くいくい"とピースした指を曲げる。
「……………どこ行くの?」
「んーーー……人が多くて知り合いに合わない所行きたいよね……………あ、それじゃあ温水プールにでも行く?」
「プール?」
「そう!!」
「柚葉がナンパされたり、絡まれたりした時に助けられるか分からないんだけど………」
「それを言ったらどこもそうじゃない?」
「」
「……………良いじゃん良いじゃん!!!温水プールにはそんな人いないから!!」
休日の日は多いと思うけど……。
「どうせ夏休みは出掛けるじゃん?」
「あ、決定事項?」
「…………え……出掛けないの?」
「!!!」
逆に柚葉が驚いて俺の顔を見てくる。
"え、嘘でしょ?信じられない…"みたいな目をしてきている……。
「あ、あーー……行くよね!!行かない訳ないじゃん!!!」
「だよねーー」
柚葉は自分の立場を分かって言っているのか?モデルなんだぞ?可愛いんだぞ?スタイルが半端ないんだぞ?そんな柚葉の水着姿……………、
『隼人…//////似合う?』
あーやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい////////
勃起してきたわ………//////
「隼人?」
「あ、ん………ん?何?」
「私の水着姿でなんか妄想していた?」
「え?…………ん。まぁ、忘れてて」
「本当に変態さんなんだか〜ら♡」
そう、俺を笑う柚葉。
「う、うるさいぞ………!!!そりゃあ柚葉の水着姿で何も考えないなんてことできる訳ないだろ!!!」
「うわ、開き直ってるし………サイテーー」
今度はジト目を向けてくる。
「お、お前こそ俺を揶揄わんでくれよ………マジで女子の水着ってティーンの男子からしたら興奮しちゃうんだからよ………」
「そうなの?」
「そうなの」
「…………それじゃあ……気合い入れて着てくる」
「だから派手目なものはやめてよ……。お前が絡まれた時に助けられないからよ」
「……………ちぇーー」
「まぁ、どんな水着にせよ似合うんだろうな」
「…………え?」
「あ」
やべ口滑った。
「似合うと思うの?」
柚葉がそう尋ねる。
「そ、そりゃあそうだろ?だってモデルじゃん?スタイルだってバチクソ良いんだからそりゃあ似合うんだろうなって思うけど?」
俺は必死に平静を装って話す。
いや、もう下はビンビンだけど。
「………………そっかー………」
ーーー
「まぁ、どんな水着にせよ似合うんだろうな」
この言葉で私は少し思考が宇宙猫とかしていた……あれ?使い方あってるかな?ただ使ってみたくて使ったので間違えてたらすみません。と、ともかく!!!なんか………
嬉しかった。
「スタイルだってバチクソ良いんだからそりゃあ似合うんだろうなって思うけど?」
隼人はそんな風に素直じゃない感じで話すけど………私は……ただただ嬉しくて……、
「………………そっかー………」
なんて感じで答えていた。好きな人に褒められるのってやっぱ嬉しいんだよな………どんなしょうもないことにせよ……例えば…"優しいね"とか、"良い匂いする"とかでも素直に言われると私は嬉しい……、だから、
「それじゃあやっぱ気合い入れて着るからね!!」
私は満面の笑顔で隼人にそう言った。
「……………………まぁ、何かあれば叫べばいいよな」
と、そんな情け無いことを考える隼人。
「ぷふっ……!!」
私は思わず吹き出していた……。
だってそうでしょ?それほど私のことを考えてくれていて褒めてるようなものなんだからさ?
「あ、ちょっとお手洗い借りていい?」
「お、おう」
私はそんな"嘘"をついて立ち上がって隼人の寝室から出た。
ーーー
柚葉の水着姿………。
柚葉がトイレに行ったのを機に俺はスマホでモデルの水着写真を調べ始めた。いや、オカズ探しとかじゃないからね?ただ、柚葉並のスタイルの水着となるとそうそう三角ビキニだとしてもハイレベルな感じなんだろうと思い、色々調べ始めた。
「おう…………」
俺は思わず呟く。
その調べた画像は浜辺や風呂場、プールサイドでポーズを取る水着美女の写真。うわ、何これ。もう柚葉のイメージをする為の材料として調べたけど失敗した。
もう柚葉の水着姿なんかみたら我慢できないかも。"出ちゃう"か抱きついちゃうよこんなの……。どうしよう……。
「只今戻りましたー………ん?隼人?」
「お、おう柚葉。どうした?」
「それはこっちのセリフなんだけど………何で全身布団で覆ってるの?」
「え?れ、冷房が寒いから」
「それじゃあ温度を上げれば良いじゃん………あ」
「何も言うな。気付いたとしても何も言うな」
「…………変態さん♡(笑)」
柚葉は気づいた。まぁ、そりゃあ気づくだろうな。だって、我慢汁が出そうなんだから必死に隠しているからだ。いや、そこまで柚葉が気付いてるとは限らないけどさ?でも、なんか全身をこうやって布団で覆わないともうヤバいのよ……あー、俺ってなんか変態過ぎない?なんか、柚葉が来るようになってからスケベな所が急激に上がっていってるんだけど?
「それじゃあ隼人はどんな水着が……」
「水着の話はしないでくれ。頼む」
「…………そんな真面目な顔で謝らないでよ……命乞いみたいになってるけど?」
「命乞いだよ?俺の社会的価値が死なない為の命乞いだから」
「うわ。バカみたい。サイテー」
「う、うるさい!!」
「あはははは!!!!」
そして、柚葉はツボるくらい笑いまくっていた。
いや、こうやって笑ってくれる人で本当に良かったと俺は思う。冗談抜きでこんなこと言われたらマジでビンタして「二度と口聞くな」なんて言ってくる人もいると思うし………。
「それじゃあ家で水着着てみるよ。そしてその写真送るから」
「は??????な、なな、何言ってんだよお前!!そんなことしたら色々問題だろ!!!やめろ!!!絶対にやめろ!!!」
「あ………そっか。確かに問題だね」
冗談抜きでそれは拡散されてしまう可能性があるから俺は止めた。まぁ、俺だけに送るとしてもダメだ。
「それじゃあ私が撮ったのを私のスマホから見せるよ」
「…………え?見せてくれるの?」
「その方が当日に安心でしょ?」
何が安心なんだよ……。
「大丈夫。撮って隼人に見せた後は消すから」
「いやいや、俺見たら何するか分かんないよ?」
「何そのダサい脅迫……、何の脅しにもなってねーし(笑)」
「うるさい!!でも、本当に水着姿を俺になんか見せていいの?」
「逆に何でダメだと思うの?」
「え…………」
俺は答えられなかった。
ともかく明日はプールへは行かないことにはなった。
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