第45話 素直になれば"欲を解消できる"とお互いに思った。


 

 さて、どうするか………。




 「zzzz」



 俺は柚葉と気づいたら寝ていたみたいだ。



 俺のベッドで2人でね(笑)。




 「zzzz」



  

 何故こうなった?幸いにも………あれ?服着てない……


 


 「ぐかっ!!……んーー……」

 「え」

 「あ、隼人ー」



 柚葉も………服着てない?



 「はーやと!!」



 ギュッ!!



 「」



 柚葉は裸で俺に抱きついてきた。



 「」



 ん?ん?ん?どうなってんの?



 「もう一回……」

 「」






 

 「ヤろっか!!!」








 「がああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 「!!」



 あ、あれ?



 「眠り姫は起きたようだね(笑)」

 「……………柚葉」



 あ、夢だったのか………。



 「結局ダラダラすることにしたら隼人寝ちゃってたんだよ?」

 「なるほどな」

 「だから、私が帰るまでは起こさないでいようと思った」

 「そ、そうか………」

 「それで?どんな夢を見たのかな?」

 「」

 「…………ん?隼人?」

 「ヒミツ」

 「え?」

 「ヒミツ」

 「何でよ!!」

 「ヒミツナノハヒミツデス」

 「………………」



 言える訳ないだろ!!!柚葉とセックスする夢を見ていたなんてよ!!!


 にしても…、



 「ん?」



 柚葉の裸姿……イメージできちゃってたのか?



 「何?」



 んーー……柚葉の裸体……、




 "嘘をつきなさんな。私達は同志ですぞ?柚葉裸体のファンクラブの同志"。




 あーバカバカバカ!!なんつーことを今思い出してんだよ俺!!!桜が言っていたことを思い出すなんてよ………。



 

 「隼人」



 でもどんな姿だったっけ?



 「ねぇ、隼人」



 どんなスタイルだったっけ?見てみたいな……。いやいやいやいやいや!!!何大胆に考えてんだよ俺!!流石にダメだよこれは……。






 「おい」


 ドスっ!!!


 「!!!!」



 俺は柚葉に軽く蹴られた。



 「何ボーッとしてんの?」

 「え……あ………い、いや……何でもないです」

 「……………」



 俺はとにかく妄想してしまった赤らめる顔の柚葉を今の思考から消そうと必死だった。



 「隼人」

 「ん?」

 「………怖い夢でも見たの?」

 「は?」

 「何か嫌な夢だったの?」

 「い、いや……ある意味怖かったけどそんな言うほど怖い訳ではなかったような……」

 「………なんかエロかったりした?」

 「質問の幅が広過ぎない?なにをそう思って聞いてくるの?」

 「なんか隼人の様子がおかしいから」

 「…………」


 「ちょっとカマかけてみようとした」


 「」

 「でも分かっちゃったからいいや」

 「え?」

 「あぁあー?隼人君は本当にドスケベなんだからねー?」

 「……………」



 この感じはマジで分かっちゃったのか?ヤバいな。



 「本当に分かっちゃったの?」

 「大丈夫。分かったけど言わないから」

 「助かる」

 「………………それでよく我慢できるよね」

 「え?」

 「そんな自分に正直になっておきながらよく我慢できるよねって言ってるの」

 「え……い、いや………別に好きで我慢してる訳じゃねーけど」

 「それじゃあ何で忠実になんないの?」

 「い…いや……、だって…………」

 「………………バーーカ」

 「……………」

 「それじゃあ今日もそろそろいい時間だし帰るね」

 「…………おう」

 



 そして柚葉は帰ろうと立ち上がった。




 「あ、隼人」

 「ん?」

 「お互いにもっと素直になろうね」

 「え」



 そう言い残し、柚葉は帰ろうとする。



 「……………あ、待って!!!!!」

 「ん?」




 俺は慌てて玄関前にいた柚葉を呼び止める。




 「俺達……付き合ってるんだよな?」

 「そうだよ?」


 「だから………今日は柚葉の家まで送っていくから」

 

 「」

 

 何気ない普通のことだ。彼女を家まで送り届けるのは当たり前のこと。だから俺は言った。"今日は"は余計だったかも…。




 「大好きな柚葉と少しでも一緒にいたい」

 「…………え………」



 あ、これは言い過ぎたか?



 「と、とにかく!!!柚葉……家まで送るよ……」

 「隼人」

 「ん?」

 「いきなり過ぎて頭が追いつかないけど………隼人は受け入れるのが早過ぎない?」

 「」

 「今、"素直になろうね?"って言ったばっかじゃん…/////////」

 「…………………」

 「送ってくれるの?」

 「…………おう。送りたい」

 「…………じゃあ……頼むわ/////////」




 そうして俺達は歩いていた。




ーーー




 スタ… スタ…



 「「……」」



 あー……お互い沈黙じゃん……。何も話せてないじゃん……。まぁ、そりゃそうか……いやそうじゃないだろ。



 「」



 隼人め………。送るなんて言ってくれたのは凄く嬉しいけどさ……タイミングってあんじゃん////////。今の空気はちょっと一緒に歩くのには合わないじゃん……。てゆーか私達、昨日付き合ったんだよね?なのに何でこんな普通なんだ?少しは変わる関係だと思ったのに全く普通に過ごしてない?何なのこれ〜〜……//////



 「柚葉」

 「ひゃっ!!!」

 「……」

 「あ、ごめんごめん。何?」



 変な声出ちゃったよ……。



 「そういえば前から言おうと思っていて今日確信したんだけどさ……」

 「何?」




 「俺の方がやっぱ背が高くない?」



 「」

 「なんて言うか……目線的に1cmくらい俺の方が高い気がするわ」

 「………………はぁ????」



 私は今までの感情が全てなくなるくらいムキになった。



 「何を根拠に私より高いと?」

 「いやいや、そうじゃない?だって俺の方が高いだろ」

 「私の方が高いですぅーー」

 「いや俺だろ」

 「私」

 「俺」

 「じゃあさじゃあさ?隼人は私より背が高くて何が嬉しいの?」

 「論点すり替えんなよ(笑)。俺の方が高いから高いって言ってるだけだよ。その優越感に浸れてる」

 「小さい男」

 「それじゃあ柚葉は大きい女」

 「嫌味に聞こえんだけど?」

 「褒めてんだよ。女子で175cmなんて中々ないよ?まぁ、俺の方が高いんだけどね」

 「………………」




 プクぅ!!!

 私は頬を膨らませて拗ねる。




 「あっそーですかー?それじゃあそれでいいんじゃないですかー?」

 「何怒ってんだよ。お前が素直になれって言ったんだろ?」

 「素直になるのと暴露するのじゃまた意味は違うから」

 「悪い悪い(笑)」

 「……まぁ、でも……少しは楽しいと思えてるけどね」

 「…………それなら良かったよ」

 



 これは本心だ。何だか素直になるって気分のいいことなんだと今更ながら感じる。




 そして家の前に着く。



 「それじゃあ隼人」

 「ん?」

 「また次に行ける日は連絡するから」

 「おう。いつでも来てな」




 「…………」



 あ、何言おうとしてるんだろ私……。



 「柚葉?」

 「何でもない!!おやすみね!!」

 「………おやすみ!」




 そう言って私は家に帰った……。




 なんやかんや、付き合った次の日はこんな1日だった。なんかな……、良いのか悪いのか基準は分からないけど少し勿体無い気分だったな。でも、いずれは……。








 あ、因みにお父さんに関してはちゃんと怒っておきました(笑)。

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