第9話 16歳になっての"おままごと"ってさぁ…////
コンコン…
「はーい」
俺、
「開けていいー?」
ガチャ…。
「聞きながら入ってくんなよ」
「そんな硬いこと言わなーいの」
入ってきた人物……、そう、
「で、どうした?」
「今日はこれ持ってきたんだ!」
そして、膝をついてバックの中から何やら取り出そうとする……、
「そういやお前、髪の毛…今日はセミロングなんだな」
「あ、そうそーう」
いつもはポニーテールだからなんか違和感がある。
いや、違和感ってほどじゃないけど、なんか……。
「綺麗でしょ?」
「……まぁ……」
「触ってみる?」
「」
いや、触る?
え………、
良いのか触って……。
天使の輪が凄い綺麗だ……、い、いや!!流石にこれは………ん…………ダメだよな……。触り方が分からない………あ、いや……小さい頃はよく触っていたし……大丈夫かな……?
「そ、それじゃあ……」
俺は柚葉の髪の毛に触れた……。
「」
柔らかい……。そして、凄く良い香りがする……。
「シャンプーは何を使ってるの?」
「え?」
あ、思わず聞いてしまった。まぁ、これは普通だよな……。
「え、メリットだよ?」
「え!!!?」
「そんな驚く(笑)?」
「いや、だって俺が使ってるのと同じシャンプーでこんな良い匂いがするなんて……」
「そう。だから隼人の髪の毛も良い匂いだよ?」
「」
ブアッっっっ!!!!!
な、なんか照れるな……////////
「でもさー?シャンプーと言えば私気づいちゃったんだよねー」
「何が?」
「シャンプーって………大きなシャボン玉を作りやすい」
「」
そうドヤ顔で語る
いや、16歳児。
「」
シーーーーーーーン
「あ、あれ?」
「くだらないな」
「」
「……………ぷふっ!!」
「!」
「あははははは!!!!」
俺は思わず笑っていた。
「そんなどうでもいいしょうもないことを溜めてドヤ顔で語るって小学生でもしないんじゃない(笑)?」
「う、うぐっ………////////」
「でもやっぱ柚葉だな」
「……………そう?」
「そうだよ。これが16歳児の柚葉だ」
「それ褒めてないよね?馬鹿にしてるよね?」
「そりゃそうだよ」
「」
「柚葉は子供っぽい所がいいんだよ」
俺の前での仕草がってことだな……。
だからこそ負い目がある……柚葉の本当の素、つまり黒い部分は見せてもらえてない。だから、まだ完全に信頼されてる訳ではないんだ。不登校が何言ってんだって話だけどさ……。
「…………私が子供だったら隼人は親御さん?」
「え?」
「………あ、そうじゃん。だって私の我儘に付き合ってくれて遊んでくれてるんじゃん!!隼人は私の親御さんだよ!!」
「はぁ?」
柚葉がまた、変な理屈をつけて納得し出した……。
自由奔放な性格してるよ……。
「それじゃあパパって呼んでいいかな?」
「うぇっ??????」
「正直さ、隼人は同年代というより、歳上みたいに見えることが結構あるんだよね。だからちょっと、おままごとしてみない?」
「おままごとって………本当に急だな……」
もう、マジで俺で使ってやりたいことをやり尽くそうとしてるわ………
ん?
パパ……つまりは柚葉の父親………小さい時は一緒にお風呂………、
『パパー!!大っきい毛だね!!!"毛ダルマ"だ!!!』
ビンっっっっ!!!!!!
「ぐっ!!!!!」
俺は速攻で股下を枕で隠した。
妄想で勃起したからだ。
マジでこの癖は治さないとな………恥ずかしいわ……。
「隼人ー?また、勃ってんの?」
「お前が勃つとか言うな。恥ずいから」
「いやーー、本当に隼人君はピュアですねーー?一緒の布団に寝っ転がったらどうなっちゃうのやら(笑)」
「そんな修学旅行の男女2人で女子部屋いたら同室の人達が入ってきてやむを得ず布団に隠れるみたいなことは起きねーから」
「………………そう?」
「なんだよ今の間はよ……」
「別にー?」
まぁ、俺と柚葉の中学の時は至って普通の修学旅行だった気がする。あんま覚えてねーけど。
「それじゃあ、話を元に戻すねー。と言うことで!!おままごとを始めようか!!」
そういや鞄から何やら出そうとしてたけどそれはなんだったんだ?まぁ、別に何でもいいから聞かないけど。
「シチュはどうするの?」
俺は聞く。
「んーー………普通にお風呂入ってる所で良くない?」
「何でお前はそんな俺を弄ぶようなことばかり思いつくの?」
風呂ってさ……、
「あーいや、なんかシャンプーとシャボン玉の話したら急にしたくなっちゃってさ(笑)」
「何が?」
「お風呂ごっこ」
「…………お前って本能で生きてるの?」
「何その言い方ー?私は野生じゃないからー。ちゃんと教育されてますぅーー」
「……………」
ん?風呂?
俺はまた風呂で別のことを妄想し出した。
柚葉って……ヴァージンなのか?
でも、これだけ可愛すぎてスタイル良すぎてモテるんだから一度くらいはあんのか?いやいや、たとえあったとしても聞いていいことではないからな………、あー、何でこんなことばっかり想像しちゃうんだよ俺は……。でも、一度卒業したらなんか世界って変わって見えるのかな………?
「隼人?」
「あ、あーー、何でもないです」
「それじゃあ、おままごとはやる?」
「設定を風呂場ってのはやめよう」
「まぁ、そだよねー。分かった!」
"そんな簡単に訂正できるんだったら初めから男が困ること言うなよ!!"
俺は内心ツッコンでいた。
「そ、れ、じゃ、あ〜〜?シチュエーションは、私がお母さん役で隼人がお父さん役で、イチャついて……」
「ん?ん?ん?ん?…今何つった?」
「イチャつく」
「その前」
「隼人がお父さん役」
「の前」
「私がお母さん役」
「子供の設定じゃないの?」
「なんかやっぱ、隼人が歳上役ってのは気に食わないから同年代がいい」
「お前…マジでさ………………俺で遊んでるでしょ?」
「バレたか♡」
頭を拳でコツっと舌を出してウインクをしながら誤魔化す柚葉。
畜生……可愛いっ…!!!!
「それじゃあ隼人が決めていいよ設定は」
「俺が?」
「そうそう。あ、でも私と同い年の役にしてね?せめて、双子の兄妹的な感じで」
「分かった…………」
どんなシナリオがいいかな……。
つーか、さっきイチャつくって言ったけどどんなシチュにしようとしたんだよ………。あーいや、俺で遊んでた訳だからそこに意味はないか?
ーーー
「あ、ちょっと仕事の連絡きたから少し外にいるね」
「分かった」
私はそう"嘘"をついて廊下に出た。
バタン……。
隼人の寝室のドアを閉めた後……
「はぁーーーー……」
なんか気が抜けて廊下に座り込んでしまった。
「私……大丈夫かな//////」
そう呟いていた。
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