ドラゴン・パサント　～七番目の息子の七番目の息子～

　アルールは十四度目の転生にして外れを引いた。飛竜を使役する王国の第七王子として生まれ落ちたにもかかわらず、必ず覇を唱えると予言され、生後すぐに幽閉されたのだ。

　父も自身も、男児が七連続した兄弟の末子。それすなわち、魔道において最も優れたる者――〝七番目の息子の七番目の息子。

　知識を持ち越して生まれ変わる彼にとって、この人生を終わらせることはたやすい。しかしこの世界に、自らが追い求める〝彼女〟がいるならば、ここで諦めるわけにはいかない。

　これまで呪われたように十四歳で死を繰り返し、大人になった経験はただの一度もなかった。今世は初めて十五歳を迎え、次から次へと無理難題を課せられる。

　はたしてアルールは、逆境をはねのけて地位を取り戻し、今度こそ完全なる死を遂げることができるのか。これは、すべての魔術を統べる者の物語。