第三章 騎竜をめぐる旅

登場人物紹介1

□旅の仲間

〇アルール 十五歳

(グリンドゥールの息子イェイアン)

 主人公。想い人と幼馴染、魔術と完全なる死を求めて、転生を繰り返してきた少年。

 現世げんせでは、飛竜を使役する王国の七男として生を受けたが、〝七番目の息子の七番目の息子〟と予言され、生後以来ずっと地下室に幽閉されていた。

 そのため肉体は弱いが、生前から積み重ねてきた魔術の知識を有する。


〇エルスカ 百九十七歳

(グリシアルの娘サフィル)

 とらわれのアルールを救出した

 温厚で優しいが、気丈さを併せもつ。

 マドライグという竜人族で、鮮やかな青銀せいぎん色の髪をしている。

 絶大な癒やしのちからをもつ〝七番目の娘の七番目の娘〟であり、サファイアを守護石とする竜占い師ドラコマンサー


〇ヴェルナ 十五歳

 アルールの幼馴染。魔法のよろいを身にまとい、砲剣ほうけんを得物とする赤毛の少女。

 飾らない性格で、負けず嫌い。

 転生戦士を名乗り、生前の記憶を引き継いで複数の世界を渡り歩いてきた。

 あらゆる武器の扱いに長け、接近戦はお手のもの。


〇ティルト 十四歳

(グリンドゥールの娘ミヴァンウィー)

 アルールの異母妹。前カムリ王国の第七王女で、小柄な金髪の少女。

 正義感にあふれた性格で、アルビオン島の各地を巡りながら世直し旅をしていた。

 竜の返り血を浴びた前王のちからを引き継ぎ、見た目に反してすさまじい怪力を有している。手加減するのがちょっぴり苦手。


〇カティナ 十六歳

 ティルトの母方の従姉妹いとこ。従者にして教育係。剣と盾を携えた金髪の少女。

 生真面目な性格で、下品なことを嫌う。

 特別な才能はないものの、滅んだ王家から引き継いだ紋章学に通じており、幻獣を従えることを夢みている。



◇竜族

〇フウィートル およそ二千歳

 エルスカの育ての親にして師匠。北方の古代種ドレーティに属する美しい白竜で、大いなる癒やしのちからを有している。

 しばしば人間の女性に化けるが、マイペースで他者を振りまわす。

 寒さが苦手で、温かいものを抱かないと寝つけない。

 本人いわく、美食家であるらしい。


〇メステン・メリン 十歳

 ティルトの騎獣。稲妻を操る黄色の飛竜。

 まだ若く、せっかちで食いしん坊。

 動物的な種族であり、自ら変身することはできない。そのため、人化する際は実年齢よりも幼くされている。



◇友好勢力

〇グリンドゥール

 前カムリ国王。アルールの父。

 元は山岳地帯を支配する小国家の第七王子に過ぎなかったが、竜人族の王を助けたことで転機が訪れた。

 赤き竜の返り血を浴びて竜のちからがそなわり、飛竜を従えて瞬く間にアルビオン島の七王国を統一する。

 黄金竜の紋章は〝ア・ズライグ・オーア〟と称され、敵対者に畏怖いふの念を植えつけた。

 七男七女をもうけるも、きさきのひとりに暗殺され、王国は再び七つに分裂した。


〇グリフィズ

 現カムリ国王。アルールの兄。グリンドゥールの第一王子。

 寛容で聡明そうめいな人物とされる。

 赤き竜の描かれた紋章は、〝ギュールズ・ドラゴン・パサント〟と呼ばれる。


○グリシアル

 竜人族マドライグの王。エルスカの父。

 若き日のグリンドゥールに助けられ、彼を島の覇者へと押し上げた立役者。

 七人の娘がいて、それぞれを王子たちの補佐役につけると約束した。

 メルラッキの奸計かんけいにはまり、現在は行方不明となっている。


□マドライグ

 竜人族。

 力で竜に、知恵で人に敗北し、双方と共存することで生き残りを図った。そのため変身術に長けており、多くは優れた占い師でもある。



◇妖精族

□グラゲズ・アンヌン

 聖なる白牛を育てる女性だけの妖精。その名は〝異界の乙女〟を意味する。



◆敵対勢力

●イルール

 ストラスクライド国王。アルールと入れ替わり、第七王子の座を手に入れた少年。

 死霊術をはじめ、あらゆる魔術を使いこなすとされる。

 なんらかの目的で、島じゅうの竜族を殺してまわっている。

 黒き竜の描かれた〝セーブル・ドラゴン・パサント〟を紋章とする。


●メルラッキ

 イルールの母にして謎多き魔女。

 グリシアルやエルスカを追いやり、アルールを幽閉した張本人。その名は〝白狐しろぎつね〟を意味する。



◆魔獣

■アヴァンク

 シン・シオンをはじめとした、カムリの湖に巣食う怪物。

 ビーバーとワニを掛け合わせたような見た目をしている。

 極めて凶暴だが、人間の女性に誘き寄せられる性質があり、それを利用されてしまう。

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