流星のごとく現れた主人公・兎羽ちゃんには
数々の困難を跳ね除けるパワーがあります!🌟
けれど、うら若き乙女たちにはもちろん
葛藤があり、狡猾な部分もあるのです
リンドブルムレースというロボットSFがメインでありながら
彼女たちの心情のリアルさが胸に刻まれていきます
物語の作りも細かく、要所要所で散りばめられていた設定が
後々に生きてきて、ひとつに繋がっていく快感が得られます
その土台があったからこそ、この人である
と思わしめるキャラ作りには脱帽でした
また、リンドブルムについて少し不識なキャラを置くことで、
地の文での説明過多にならず
読者をうまいこと一緒に引っ張っていける内容だと思いました!
まるで『トップをねらえ!』のような
青春スポコンロボット作品だと感じました
架空の近未来スポーツ『リンドブルムレース』。機械の体に魂を憑依させて、生身では到底踏破できないような危険な環境を駆け抜ける競技。
幼少期、リンドブルムレースの熱さに心を奪われた香月兎羽も、リンドブルムレースに出るべく練習を重ねていた。しかしある理由から、中学までは好成績を残せずにいた。彼女は最後の望みを賭けて、最高のコーチがいるはずの高校の門を叩く。
リンドブルムレース部=憑機部を立ち上げ、クラスメイトや先輩、コーチと共に、夢に向かって跳び出していく兎羽は、リンドブルムに全身全霊を傾ける熱血少女。見ていて気持ちのいいアスリートです。また、リンドブルムだけでなく、交通手段であるループスフィア、憑闘=アイアンボクシングなど、近未来を思わせる要素を創造して世界観を徹底しておられるのが非常に魅力的です。SFと青春スポ根ものが融合した作品に触れるのは初めての体験だったので、ワクワクしながら読めました!
注意:51話まで読んだ時点でのレビューになります。
SFですが、文章も読みやすく、ストーリーも難解ではないので、SFファン以外にも楽しめるSFです。ただ、ハードSF原理主義者の方には、ちょっと‥‥って感じの小説かもしれませんが……
ストーリーとしては、学園もののレースものになるのですが、レースの描写がスピード感と臨場感があって、私は好きです。なんというか、そういう描写が好きな人は楽しめる小説ですが、細かい描写とかにコダワリを持つ人には物足りないかもしれないです。
全体としては、ラノベを読む人に好まれる小説だと思います。
がむしゃらに駆け抜ける少女の物語であり、憑依という性質を上手に生かした名作でした!!
入学からという落ち着いた導入に見えるのですが、近未来の世界観が随所に散りばめられており、読み進めていく過程で目の前の世界が少しずつ広げていくという感覚を覚えます!
この世界が広がる感覚は作者様の表現力の豊富さが一役買っていると思います。単位に頼らず世界観に沿った例を用いて説明されるため、読み手側がノイズとして受け取ることもなく、すんなり読み進めることができる素敵な描写でした!
すでに1章を読み終えてしまったため、ネタバレ回避のためにふんわりとした表現になりますが、
また、主人公の設定というのも「万能」ではなく、とてもピーキーな設定でありそれがアクセントとなりさらにこの物語の魅力を惹き上げています!
レースという題材はあまり読まないため、適切な表現がここでは言えませんが「オールラウンダー」ではなく、「ダウンヒラー」や「クライマー」のような一芸に特化しているからこその魅力がこの作品には詰まっていました!
さらにいえば、この作品の本質にも関わるレースまでは読んで頂きたいです!
上記の通りレースを題材とする小説をあまり読んだことがなかったのですが、実況と解説の使い方が素晴らしい、と。
ついつい地の文で表現したくなるものですが、実況と解説の口文主体で進むことで読みやすさが段違いです!
よくよく考えれば実況とはそういうものなのですが、映像とセットとという印象があったので・・・
そんな手に汗握る少女たちが駆け抜ける物語、あなたも観客の一人になってみることをお勧めします!