概要
のんびり屋で面倒くさがり、とっても素直で嘘がつけない。そんなバクのエルクラートが営む夢喰屋には、どんな悪夢も残さず全て喰らってくれるという噂があった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!造り込まれた世界観、練られた設定が光る秀作。
面白いです。読んで損はありません。ガンガン読みましょう。
正直これ以上の説明はいらない気がするのですが、本作は大変興味がそそられる作品です。
少しダーク寄りですが、異世界の人間と魔物が共存している世界で、相手の悪夢を食べて生きる主人公の物語。この時点で凄くそそられます。
この「悪夢」と言うのがミソ。単純なファンタジー世界で有りながら、悪夢を見る原因に切り込む、一種の心理スリラー的な重厚さもあり、単純なヒューマンドラマとは一線を画します。何故ならファンタジー世界だから!
この発想は無かった、と思わされる設定にストーリ。悪夢を食べると言う話の流れ上、ダークファンタジー的な要素を持ちながら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ようこそ 港町イリュリア随一の 夢喰屋へ――
人と魔物がルールを持って共存する世界のお話。
主人公は『悪夢』を全て喰らうことのできるバクのエル。
夢の交換が可能なことによる、夢屋、そして夢喰屋の存在。
悪夢もまた記憶の財産。
不用意に夢を喰らい尽せば、魂を傷つけるし、己も囚われかねない――
独特の価値観、法則に基く幻想世界。
これだけでもうどっぷりと浸れそうなのだが、そこに住まう登場人物たちがまたいい味を出して世界と融和している。
のんびり屋で面倒くさがり、嘘がつけない主人公のエルクラート。
たしかにそう。でも代々続く夢喰屋として確かな矜持と夢への欲をもつ。
彼からして濃い。
しかし騒々しさの類はなく、まるで語り手である彼がリズ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!異世界の生き物たちは、どんな夢を見ているか? 新感覚異世界ファンタジー
これぞファンタジーの面白さだよ、と夢中になって読みました。
なんといっても、切り口がとってもいいんです。主人公である『エルクラートさん』は、バクという『人型の魔物』として異世界に存在しています。そしてバクなので、やはり『夢』が主食。
そんなバクの異世界での生活というものが丁寧に描かれていて、序盤から一気にこのファンタジー世界に引き込まれて行きます。『夢』を食糧として売っている店があり、そこに猫の夢などが出てくる。普段はそこで買い物をするなどして飢えを満たし、時には依頼を受け、やってきた客の夢を食べる。
そこで出てくる客というのがまた面白い。セイレーンやバンシーなど、異世界にお…続きを読む