第25話 新たなスキル

 彼は世界の終末が訪れたかのような街を駆け抜けて家に着いた。


(皆無事なのか…)


 固唾を飲んで扉を引いた。


「おかえり!」


 いつもと変わらない声が聞こえて彼は安心した。


 彼はほっと息をつくとこう言った。


「父さんは無事!?」


「え?どうしたの?」


 母に怪物が現れた事を伝えた。


 すると、彼女は慌てた表情で夫に電話をかけた。




「父さん無事だったわ!」


「良かったー」


 安心すると、自室に向かった。


 そして、スマホを手に取り調べてみた。


(東を中心に活動しているクラン…か)


 SNSにて傲慢組の公式アカウントを見つけた。


(なるほど。モンスターの討伐・研究を行っているのか)


 傲慢組は名前の割に真面目な事をしているクランだと彼は思った。


 次に、フィールドボスについて調べた。


(世界中で出現しているのか……)


 見つけた動画には海外で飛行機を炎上させるドラゴンが映っていた。


(もしボスが討伐されなかったらどうなるんだ?)


 そんな事を考えて情報を探すと、すぐに答えを見つけた。



「出現した怪物、次々に消滅か」



(消えたの!?午後5時って事は約3時間で消えたのか)


 法則性を見つけて心を踊らせていると、悲惨なニュースも見つけてしまった。



「世界中で推定5億人が死亡」



(嘘…だろ?)


 目を疑うニュースに彼は絶望した。


 しかし、絶望の中に希望を見出した。


(幸いここら辺は討伐したから、一旦大丈夫だな。)


 しかし、こうも思った。


(もし次があったら……)


 今回だってギリギリの戦いだったんだ。


 次はもっと強い敵が出るかもしれない。


(早く強くならないとな)


 強くなる為にはお金が必要だ。


 手っ取り早くお金を手に入れるために彼は巨人を倒して手に入れた人一人隠れられる盾を売却した。


(50万!魔法一つ買えるな!)


 彼は巨人の死体を解体して売れば良かったと後悔しながら購入するスキルを考えた。




 彼はシャワーを浴びながら考えてみると、凛とした女性の事を思い出した。


(そうだ!)


 お風呂からあがると、ショップを開いた。


(時間停止?時間操作?)


 調べてみたが、どれも女性が使っていたスキルとは異なるようだった。


 そして遂に見つけ出した。



 残高:55万円

 時間操作魔法:150億円 [購入]



(えええ!?高っ)


 到底買える値段では無かったので、潔く諦めた。




(このスキル買うか!値段も30万だし)


 再び考え直し、購入スキルを決定した。



「糸使い」

[効果]

 ひも状の物体をマナを使い操作する。

[クールタイム]

 なし

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