第22話 巨人
彼らは足音が聞こえる方向を見た。
すると、約20メートル先に見上げるほどの巨人がいた。
「ファイアーボール!」
悲鳴をあげる女性にハンマーを振りかざそうとする灰色の怪物に考えるよりも先に魔法で攻撃した。
「こっちに来てますよ!」
「やばいかもな…」
巨人は広場中央の建物に無断で停めてある自転車を倒しながらこちらに向かってきた。
「さっきみたいに火出して!」
「了解!」
彼は魔力を手のひらに集めて、放った。
それは10メートル位の距離にいる巨人に直撃した。
すると、巨人は後ろに仰け反り一瞬怯んだ。
(前より威力高くなってるかも!)
身につけている腕輪のお陰かもしれないと思ったが、再び接近を試みる怪物に集中した。
「私が囮になる!良介くんは隙をついて!」
彼女は片手剣を持って接近した。
ほぼゼロ距離になると、巨人は攻撃される前に見えない速度でハンマーを振りかざした。
彼女は当たる直前に右に大きく回避した。
敵に命中しなかったハンマーは地面にぶつかると、音を立てて地面を破壊した。
(隙が出来た!)
良介はそう思うと、火球を巨人に放った。
怪物の頭部に見事直撃した!
(よし!)
そして、彼女は剣の間合いまで近付き、全力で右上から左下に振った。
ホームランを打ったような音が鳴り響いた。
だが、反撃するために、巨人は彼女を蹴った。
彼女は咄嗟に左手に付けている盾で防いだ。
しかし、楓は数メートル飛ばされてしまった。
すると、良介に全速力で向かってきた。
(やるしかない!)
彼は小さめの火球を投げると、腰にある双剣を取り出し、臨戦態勢を整えた。
巨人は怯みながらも近付いて来た。
至近距離まで来ると、再びハンマーを振りかざした。
彼は回避しながら近付き、巨人のアキレス腱を切った。
すると、怪物はその場に跪いた。
「楓、今だ!」
「りょーかい!」
入る隙を伺っていた彼女と一気に攻撃しようとした。
しかし、怪物は右手に持ったハンマーを振り回した。
だが、力任せに振り回しているだけなので、彼は余裕で掻い潜った。
そして、双剣で右腕を切断した。
「グオオオオオ!」
叫ぶ怪物のみぞおちを楓は切りつけた。
「これで終わりだ!」
彼はそう言うと、うずくまる怪物に輝く短剣を頭に突き刺した。
すると、普段の倍以上の爆発を起こした。
そして、白煙から息絶えた巨人が現れた。
「勝った…のか?」
「やったー!」
「ところで他の場所でもボス出てるのかな?」
「調べてみよっか」
彼らはスマホでSNSを見た。
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