第19話 ランク制度

「ダンジョンを攻略しました。攻略者に称号と報酬を与えます。また、帰還ゲートを生成致します」



(レベルは上がらないのか…)


 彼がそんな事を思っていると、目の前に腕輪が現れた。


(骨で作られた腕輪かな?初めてだな。それよりも、早く戦利品回収しないと!ダンジョン無くなるからな)


 彼はダンジョン攻略からおよそ30分でダンジョンが跡形もなくなる事を知っていた。




(腰痛いし膝も痛い…)


 彼はしゃがんで骨を拾って売却するということを何度も何度も繰り返していた。


(12万円!?すげー)


 彼はもう時間が残されていないと気が付いた。


 その為、最後にネクロマンサーのローブだけ売却しようとした。



 本当に売却しますか?

 合計:30万円

[はい] [いいえ]



(30万か結構価値あるな!)


 彼は少し考えた後、一旦売却しない事にした。


 そして、すぐ帰還ゲートに突っ込んだ。




 すると、目の前にはいつも見ている壁があった。


(本当に勝ったのか?)


 彼には強敵に一人で買ったことが本当なのか分からなかった。


 しかし、持っているローブと腕輪に気が付き、すぐに現実であると理解した。


(あー疲れたな)


 彼は冷蔵庫に向かい、ペットボトルを持って自室に向かった。




(腰痛いから今日は何にもできないな)


 彼はフローリングに寝転びながらスマホを見た。


(なんか面白い呟き無いかなー)


 探し始めた直後、興味深い呟きを見つけた。



「明日、冒険者制度導入か」



 そのネットニュースを見てみると、このような事が分かった。


 資格をとる事によって、冒険者ライセンスが発行されるようになる。


 冒険者ライセンスを獲得すると、ダンジョンに入る事が出来る。


 また、ダンジョンは地球内に無いと考えられているので、ダンジョンにある物は発見した者に所有権がある。


(なるほど…免許無いとダンジョン入れなくなるのか)


 更に調べてみると様々な事が分かった。


(依頼とランクもあるのか!面白そうだな)


 アプリや各地に作られる予定の集会所で受けられる依頼をこなす事によってランクが上がる。


 ライセンス取得時はFランクだが、E、D…A、Sと上がると書いていた。


(おー!Sランクか!しかもDランク以上だったら毎月お金貰えるの!?)


 彼はSランク冒険者になる為に、資格をとる事を決意した!


 だが、「資格」と聞くと少し不安な事がある。


(18歳以上じゃないとダメなのかな?そしたら冒険者人生一旦終了じゃん…)


 調べてみると、未成年は親の許可が必要だけど年齢不問である事が分かった。


(良かったー)


 彼の杞憂だった。


 また、講習を受講するだけで取得出来るとの事なので、良介は次の週末にライセンスを取得する事にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る