第7話 ガチャ

(ステータスから見てもいいけど、スキル使った方が早いしそうするか)



 ガチャ機能が追加されました。



「ガチャ機能!?」


「ガチャ?ショップなのに?」


「確かにね」


 彼は少し笑いながらそう言った。


「どんなのか見てくる!」


「り!」



残高:280円

[商品名を入力]

[チャージ]

[ガチャ]



 そして彼はガチャを押した。すると見た事ない画面が出現した。



残高:280円

通常ガチャ:1000円 [購入]

高級ガチャ:10000円 [購入]

武器ガチャ:5000円 [購入]

防具ガチャ:5000円 [購入]

スキルガチャ:100000円 [購入]



(うわぁ結構高めだな。確率とか見れないのか?)


 彼がそう思うと新たな画面が出てきた。



通常ガチャ

スキル:1%

武器:10%

防具:10%

その他アイテム:79%



(うわぁ…これ絶対引かない方が良い奴だ)


「どんな感じでした?」


 渋い顔をする彼に楓は問いかける。


「どれも高くてさー通常ガチャで1000円」


「1000円ガチャ!?とりあえず引きましょうよ!」


「えぇ!?280円しか持ってないんだけど…」


「私貸すから!ね?引いてみよ?」


「わ、分かったから!」


 借りた千円札を投入して通常ガチャを引いた。


 すると、画面にはイラストのカプセルが開かれ、安っぽい演出が映された。



 スキル「トレジャーハント」が当たりました。



 その直後彼の体に光が入り込んだ。


「えっ!?スキル当たった!」


「本当!?後で一万円返してよね?」


「おい!千円だろ!」


「えへへ!バレた?」


 彼女は後頭部に手を当てながら笑っていた。


「ところでスキルの効果見ようよ!」


「だな!」


 彼は急いでステータスを開き新しく覚えたスキルの効果を見た。



「トレジャーハント」

[効果]

ダンジョンにおいて、宝及び隠し部屋に入る為の仕掛けが光って見える。


[クールタイム]

なし



 良介は楓に文書をそのまま読んだ。


「へー!便利そうだね!」


「だな!帰り道で試すか」


 そう言うと、彼は帰り道を辿ろうとした。


 しかし彼女は引き止めてこう言った。


「もしかしたらこの部屋にも宝物あるんじゃない?」


「有り得るな!見てみるか」


 彼は部屋を見渡すと、扉を開いて正面の壁が光を放っている事に気が付いた。


「あの壁光ってる!」


「本当!?」


 その壁を叩くと直ぐに崩れ落ちた。


 そしてその先に宝箱があった。


「やった!宝箱!」


「すげぇ!こんなの気が付かないだろ!」


 宝箱を開けると、謎の鍵が入っていた。


「ん?何だこれ」


「鍵かな?良介のスキルで見つけたものだし、良介くんが貰っておいて!」


 要らない物を押し付けるように彼女は言った。


「まあ一応貰っておくか」


 そして今度こそ来た道を辿った。




 全然トレジャーハントが発動されないなどと思いながら数十分歩いた。


 すると遂に強調表示されたそれをみつけた。


「ん?この壁の出っ張り光ってる!」


「遂にきたー!」


 出っ張りを押し込むと、岩がひしめき合い新たな道が現れた。


「すげーな」


「だねー!危険かもだけど行ってみる?」


「もちろん行くよ」


 そして彼らは道を進んだ。


 少しすると、再び彫刻が彫られた扉が行く手を阻んだ。


「ボスなのか?」


「んー分かんないね。一瞬入ってボスだったら逃げない?」


「おーいいじゃんそれ」


 彼女の提案に彼は賛同した。


 彼が扉を開けている時、楓は扉を開けたら現れるであろう敵を倒す準備をした。


 扉の先には自宅のリビング位の空間のど真ん中に一つ宝箱があった。


「敵はいなさそうだね!」


「ひとまず安心だな。まあ宝箱自体が敵かもしれないけどな」


「宝箱壊すよ?」


「冗談!冗談だって!」


 彼らは警戒しながら宝箱を開いた。


 すると中には豪華な短剣と盾が一つずつあった。


「良介くんはどっちが欲しい?」


「俺が選んでいいの?」


「うん!助けてくれたお礼!」


「じゃあお言葉に甘えて」


 彼は少し悩んだ末に短剣を選んだ。


「おー短剣にするんだ」


「ゲームでも防御力より攻撃力強化する主義だからな!」


「へー!そうなんだ!」


 そして彼女は盾を手にした。


「厨二病が再発しそう!」


「まじ?」


 彼は適当に返事した。


「何も無さそうだし帰ろっか!」


「だな!」


 そして良介達は帰路についた。

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