スキル「何でもショップ」でSランク冒険者を目指す!

しゅーくりーむ

第1話 なんでもショップ

「じゃあな良介!」


 友人の声を背に高橋良介は電車を降りた。


(はあ、今日も疲れたな。でも再来週期末テストがあるし勉強しないと)


 そう思いつつ、彼はいつも通りICカード乗車券をタッチし改札を出た。




 夕焼けチャイムがなる中、道に不気味な立ち姿の子供がいた。


「僕、迷子?」


 話しかける青年だが、返事がない。その瞬間少年は振り返った。


「な、なに?特殊メイク?てかなんで棍棒持ってんの?」


 彼はその生き物のことを知っていた。そう、ゴブリンである。


(な、なんだよ!?)


 彼は全速力で逃げ出した。


 追手を撒く為に普段通らない裏道を使い逃げた。


 しかし、逃げた先は行き止まりだった。


(まじかよ!?)


 だが彼はすぐに冷静になった。


(ん?もしかしてドッキリじゃね?)


「グギギ!!」

 

 彼は近付いてくる怪物を無視し、いつも見ている動画投稿サイトの動画を思い出した。


(いつも見てるチャンネルでは近づいたときにネタバラシしてたよな?)


 それは少しずつ近づいてきた。


 そして、彼の目の前に来ると彼の予想に反し、持っている棍棒を振りかざした。


「うおっ!?」


 彼は瞬時に反応し、横に回避した。


(今の顔面に当たってたら即アウトだったよな?もしかして本物?)


 と考えていると、考える隙を与えないと言わんばかりに追撃してきた。


 今回はバックステップをし回避した。


「俺身体能力高くね!?」


 彼は辛うじて生存していた。


(でも埒が明かないな。よしリュックで戦うか)


 彼は漫画の主人公になったかの様な気分で、危険を顧みず応戦することにした。


「グギギ!!!」


 ゴブリンは更に興奮し、接近戦を挑んできた。


(ゲームなら雑魚敵だし余裕だろ!)


 彼はリュックで攻撃をガードし、渾身のパンチをお見舞いした。


 しかし、ゴブリンには全く効いていないようで彼は焦り始めた。


 だが、怪物はある物を落とした。


 それは手に持っていた棍棒である。


 彼はそれを装備し、ゴブリンの脳天に打撃を与えた!


「グギ!?」


 ゴブリンは驚いた様子で地面に倒れ込んだ。


 しかし、彼は容赦なく更に頭をぶん殴った。


「モンスターだし殺しても捕まらないよな?」


 彼は返事もしない緑の怪物に問いかけた。


 すると代わりに返事するかの如く無機質な声が聞こえてきた。



「レベルが上がりました。」



 すると目の前に暇なときに妄想していたのとほぼ同じステータスが画面が表示された。



 名前:高橋良介

 レベル:1

 種族:人間

 [称号]

 なし

 [所持スキル]

 なんでもショップ[lv 1]



「す、すげええええ!でもスキルってどうやって使うんだ?確か名前叫ぶんだっけ」


 と独り言を言った後、彼は大きく息を吸い込んで叫んだ


『なんでもショップ!』


 すると知らない画面が表示された。



 残高:0円

 [商品名を入力]

 [チャージ]



(ん?ここに買いたい物の名前でも入れるのか?)


 そう思いちょうど喉が渇いていた彼は水と入力した。



 残高:0円

 水:130円   [購入]

 炭酸水:150円 [購入]

 聖水:50000円 [購入]

 [更に表示]



「おー!って聖水高っ!まあいいや水買うか」


 水を買う為に、ひとつ画面を戻りチャージをタップした。


 すると、「ここにお金を投入してください。」と書かれた円が画面に出現した。


 彼はちょうど130円入れると、次は購入画面に戻り購入ボタンを押した。


 すると、光の粒子が集まりそれを生成した。


「どうなってんだこれ!?」


 門限が迫っているので彼は興奮を抑えて帰路についた。

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